point3 「朝飯前」のススメ

画像1


・受験時代の勉強法

「徹夜」
受験生は「夜中に勉強しても頭に入らない」、「脳は寝ている間に情報を整理する」ということを知っていても徹夜をしてしまう。なぜなら、「不安」だからだ。受験勉強には自分の人生がかかっている。来年の1月、2月の試験で自分の残りの60年あまりの人生が決まってしまう、焦って寝付けないのも無理はないだろう。


自分も同じように徹夜を頻繁にする受験生であった。

受験生の夏休み、先生には「基礎を完璧にしろ、この夏休みの基礎の定着度が入試本番の結果に直結する」と言われていた。「昨日、今日覚えた単語は抜け落ちてないだろうか、今日解いた数学の問題は今やったらまた解けるだろうか」夜になると毎晩不安に襲われる。頑張って覚えた単語は覚えても、覚えてもどうしても抜け落ちてしまう。自分のスペックを恨み、自暴自棄になることもあった。今思えばそれは被害妄想であり、基本的な知識は何回も繰り返し、しっかりとした理解を積み重ねることで初めて脳に定着し、応用問題でも引き出すことができるものである。現役時代の自分は焦っていたのだ、不安だったのだ。周りの友達と毎日成績を比較する日々、精神安定剤は自分の成績が他人のよりも良いときの自己満足、悪いときは不安になり、精神は安定していなかった。このような焦りから徹夜する日は多くなった。

「他人との比較によって得られる自信は不安定ですぐに壊れやすい、常に周りは気にせず自分の基準の上で落ち着いて行動判断するべきだ」

今では当たり前になった考え方も当時の自分には理解できなかった。徹夜しても覚えた知識は定着しない。忘れては自信を無くし、また覚えては忘れる、そんな非生産的な日常を自分は送っていたのかもしれない。

**

・朝飯前の有効活用**

朝飯前という言葉がある。

「朝食をとる前のわずかな時間でできるような、たやすいこと。また、そのさま」という意味である。人間は朝起きて朝飯を食べる前のわずかな時間に一日で最も集中することができる。起きた直後、脳は情報が整理されている状態でありクリアな状態で仕事を処理することができる。昨日の夜中遅くまで考えていた問題や悩み事は、朝起きてもう一度向き合ってみると、不思議なほどスムーズに解決することができるものだ。その後朝飯をとると脳は消化に多くのエネルギーを必要とする為、朝飯前の状態ではなくなる。昼食後の授業はやけに眠くなるのはこの原理である。受験生だけでなく大学生、社会人もこの“朝飯前”の超集中時間“を有効に使わない手はない。その為に朝4時くらいに早起きをして今日のタスクを一気に済ましてしまうのが良い。

徹夜の場合には締め切りというものがなく緊張感が薄れる傾向がある。徹夜している夜は部屋がやけに汚く感じて片付けがはかどったり、友達とのLINEが盛り上がったりするのがそれである。


だが朝飯前の場合はどうだろう。朝4時に起きて何も腹に入れない状態でタスクにとりかかる、朝4時というときっと外はまだ真っ暗で家族はまだ起きていない状況であるだろう。だから、自然と「朝日が昇って外が明るくなる前に終わらそう」、「家族が起きる前に終わらそう」と締め切りを設定するようになる。締め切りは緊張感を生み、また締め切りがあることによって「締め切りに間に合うようにはどのように進めれば効率的に処理できるだろうか」といった効率化も見込める。

ここで発展の内容なのだが、朝起きたらなるべく朝食をとらないようにすることを提案する。

朝飯前とは朝起きて口に物を入れるまでの時間であり、朝飯をとらなければ午前中いっぱいを“朝飯前”の時間としてタスク処理に充てることができる。小学校や中学校では「朝ごはんはきちんと食べましょう!脳に栄養が回りませんよ!」とよく教え込まれてきたが、今考えればこの考え方は間違っている。朝飯を食べるから脳が働かないのだ。朝飯を食べなければ長い間朝飯前の状態でいることができる。一方“間食”というものがある。何でも目の前に食べ物があれば口に入れる、暇な時間があったら何も考えずコンビニに入り無意識におにぎり、パンを買って食べていた。一般人ならよくあることかもしれないが、これも同じ理由でできるだけやめておいた方がいい。

・朝飯前実践

自分が実践している朝飯前活用法は、まず前日の夜に明日やりたいタスクと読みたい本を予めピックアップしておく、その後ぐっすりと寝て朝の4時に起きる。その後読みたい本を一冊速読で読む、朝飯前ならどんなに難しい本でもすらすら頭に入ってくる。読書のレポートを書いた後は授業のレポートや試験が間近にせまっていたら試験勉強を始める。まだ朝飯は取らない。この時点である程度今日終わらすはずだったタスクの8割型が完了する。何としても8割終わらせられるように集中力を高めてタスクに向き合う。具体的な集中の仕方は後述しようと思う。これが終わるのがだいたい午前10時くらいである、その後大学の2限に出席する。2限が終わったら昼飯といったところだが、一人でいるときはここでも食事をしない。軽くお茶やコーヒーを飲んで仮眠をとったり、ストレッチをしたりする。その後3限、4限が終わってようやく学食で一日初めての食事をとるのだ。このような生活を続けると、腹にものが入っていない状態に慣れて、より長い間朝飯前の集中状態が持続する。基本一日2食、間食なしが自分の食事スタイルである。もし興味があるなら実践してみてほしい。


長々と朝飯前の有効活用法について述べてきたが、徹夜より朝を有効活用する方が何倍も効率が良いことを強調したい。受験生にはもちろん不安や悩みが毎晩のようにのしかかってくる。しかしそこはぐっと堪えて明日の自分を信じて床に就くことが重要だ。自分にも同じことが言えるが、若い人たちは自分との身体とのコミュニケーションを図ろうとしない。身体は限界であるのにも関わらず、無理やりでも仕事をこなそうとするといずれそれはネガティブシンキングを招き、かえって仕事の効率は下がる一方である。ペンシルベニア医科大学の研究チームが行った睡眠に関する研究で明らかになったことだが、6時間以下の睡眠をとった被験者の認知能力は、その日一睡もせずに徹夜した人と同程度まで落ち込んだそうだ。やはり睡眠はある一定以上の時間とる必要があるようだ。一日6時間以上の睡眠をとれている大学生がいったいどれだけいるのだろうか??睡眠について様々な研究が行われている。理想的な睡眠時間は個人差が大きいようだが人間は少なからず睡眠を必要とする動物なのだ。
睡眠も一つのセルフマネジメントの一つであり、セルフメンタルケアは受験生に必要不可欠な作業なのである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?