point4 予備校なんてぶっ飛ばせ!!!

画像1

・受験時代の勉強法

現役生であれば、受験勉強は、部活が引退になった6月、7月ごろから本格的に始める受験生が多いだろう。ここから半年余りの時間をどのように過ごしていくかどうか、計画を立てることになるだろう。基礎と応用、この対策の兼ね合いも非常に重要になってくる。

受験勉強を本格的に始めた7月、自分はとにかく有名な参考書を買い集め、例えば数学ならば基本的な参考書を何冊か、応用問題で実力をつけるためにまた何冊か、合計一教科で5~6冊程度の参考書を買い対策を始めた。「でもこれだけでは足りないだろう」と考えて、夏休み中盤には追加で参考書を2~3冊買い足した。数学では言えば合計10冊程度の参考書が本棚に並び、秋が終わるくらいにはその中で手を付けていない参考書が5~6冊あり、実際に手をつけた参考書は3冊程度であった。これでは参考書が多すぎだ。参考書志向主義というか、様々な参考書に手を付ければ付けるだけ偏差値は上がると当時の自分は思っていた。
今では本屋の参考書コーナーに行けば沢山の参考書が並んでいる、そのキャッチコピーは受験生の興味を非常にそそるものが多いだろう。「偏差値30から難関大学へ」、「宇宙一分かる参考書」、「楽しく覚える参考書」等など、数えきれないほど多くの種類の参考書で溢れている。

・受験業界は変化している

私が思うにこれらの参考書の9割以上が必要のないものだ。「受験」というものは私たちの親世代からずっと続いてきたものであり、その基本的な構造は変化していないはずだ。試験の範囲や量は大きく変わったか??志望校の合格基準は変わったか??受験方式は変わったか?本質的なことが変わったわけではない、結局は目の前に答案用紙と解答用紙が配布され、与えられた問題があり、これを大学が要求する基準まで解答し、合格基準に達した受験生が合格する、このような根本的な構造は時代を超えて一貫しているはずだ。現代の参考書市場は質より量という考えのもと必要のないような参考書が萬栄している。予備校業界は少子化の影響で生徒の数が昔よりも大幅に減少した。バブル世代において予備校では、「人気講師の授業は何時間でも待っても受けたい」といったことが頻繁にあり、「予備校講師=億万長者」といった観念さえ存在していた。


だが現在の予備校業界では、地方の大手予備校は廃止される傾向が広まっている。大手予備校代々木ゼミナールでは東京都の一部の校舎を除くすべての校舎を廃止することもあった。昔からの教室の中で先生の講義を聞くというスタイルから、現在は映像授業としてパソコンの画面を見ながら講義を受けるスタイルが数年前から受験業界の主流となってきた。また今では、大手予備校有名講師による映像授業を月1000円程度の低額費で何回も受けられるサービスも展開されている。またYouTubeでも多くの学生や社会人が分かりやすい授業を投稿していたりなど受験業界は今大きな変化を迎えている。

その為今まで予備校講師を職業としてきた人たちは今まで通り講義だけではお金を稼ぐことができなくなってしまった。その為参考書を何冊も出版し、講演会を各地方で開いたり、自伝を書いたりマルチな分野で自分の能力を適応することが時代の変化に伴って求められてきた。だがここには大事なことが抜け落ちている。これらの受験サービスの顧客は勿論、受験生が中心であり、受験生がやらなければいけないことは常に一貫しているということだ。

・受験生がやるべきことは変わらない

確かに予備校業界は大きな変化を求められているが、それに伴って受験生のやるべきことが変わるということはない。受験生は時代の流れに惑わされてはいけない。常にやるべきことは、「高校卒業程度の基本的な知識を習得し、志望校の合格基準に達する」ということである。受験サービスが多様化したことで合格するための最短距離が明確になったかと言えばこれも違う。20年、30年前だって合格するための最短ルートは存在しており、それは今でも変わらない。大学側はいたって中立だ。どんな時代になろうが根本的に欲しい学生への要求は変化しない。ただ予備校業界が荒れているだけなのだ。

私の現役時代のように様々な参考書に手を付ける必要はない。数学でいうならば、学校で配られている、「青チャート」、「フォーカスゴールド」などの総合参考書を一冊何度も復習して完璧する。今度は過去問に着手し、大学側の要求に応えられるようにブラッシュアップしていくだけだ。この中で、有名予備校講師が書いたよくわかる参考書とか、難関大学特別講義とかの余計な参考書を挟む余裕などない。予備校講師だって食べていくのに必死であり、参考書を沢山執筆することを否定することはできない。だが、受験生に要求されていることが変わらない以上は新しく出てきた参考書やサービスに手を付ける必要はないだろう。
英語であっても、「システム英単語、速読英熟語」などのボキュブラリー系参考書、「英文解釈の技術」などの英文解釈、「河合出版 やっておきたい英語長文」を解くことで長文に慣れ、また志望校の過去問で英作文が出題されるなら「英作文ハイパートレーニング」をやればいい。これらを計画的にこなした後、過去問に移ればよい。いたって受験生がやるべきことは単純なのである。

・予備校業界の闇

私は思う、「現代の受験予備校業界は腐っている」と。

私の現役時代、「一応予備校に入った方がいいだろう」と学校近くの東進衛星予備校に通っていた。夏休みの初めに予備校では自分の模試の結果を見て受講する授業を相談する三者面談が行われた。自分の志望校が東北大学と話したら、チューターの先生は「ならばたくさんの授業をとらなければいけないね」と難関大学突破英語、数学など自分の成績に合わない授業を沢山薦めてきた。当時偏差値45程度だった自分が偏差値60~70向けの授業をとったところで理解できるはずもなかった。授業は初めのうちは我慢して受けていたが数回受けた後は放置してしまった。ただこれらの授業を最後まで我慢して受けたところで自分の成績が上がっていたとは到底思えない。

センター試験後2,3日後予備校に顔を出したら、「センター試験お疲れ、さっそく東北大学過去問演習講義の授業とる手続きをしておいたよ!」と自分のセンター試験の結果をみることもなく、ただただチューターは授業を薦めてくるだけであった。予備校のチューターは生徒に多くの授業を取らせれば取らせるほど給料が多くなる成果報酬制である。この仕組みこそ受験予備校界が腐っている諸悪の根源である。受験生は自分の将来を懸けて一生懸命毎日机に向かっている。「親があまり裕福でないから自分が頑張って大学に入っていい企業に就職するんだ!」、このような考えを持っている受験生だっているだろう。親がせっせと一日中働いて稼いだお金で高い学費を払って授業を受けている受験生がいる。

本来ならば予備校とは受験生一人一人の夢の実現のために精力を尽くすべきである。予備校を有効活用し志望校に合格することができる受験生は稀である。自分のいた予備校では全生徒およそ100人に対して志望校に合格し、合格体験記を書いた生徒は10人にも満たない。ほかの予備校でも同じような現象が起きている。もちろんすべての受験生を合格させることはできないかもしれない、だが高額な学費に見合うような十分なサービスが提供されていたかどうか、最善のサービスが提供されていたかどうかと尋ねれば、答えはNOである。

現代の予備校業界の中心である大手予備校がこのような「金儲け至上営業」を続けている限り、毎年涙を流す受験生が増え続けるだろう。

・受験生よ、強くあれ

何度も言うが受験サービスは多様化するものの、受験生に求められていることは変わらない。受験生には時代の流れに流されずに正しい判断ができる決断力が求められている。常に「今やらなければならないことが何なのか」、この自問自答を繰り返し、「強い」受験生であり続けなければ、「受験業界の犠牲者」になってしまうだろう。

一貫性と決断力、現代の予備校業界が変化する中で受験生に求められていることが増えてしまうのは非常に虚しいことである。

やることはこれだけ、基本的な参考書と問題集一冊ずつ、 残りの時間は過去問研究に徹底せよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?