point5絶対合格する受験生は本番で63%の実力しか出せないことを理解している

・余裕を持とう

受験生が合格するための絶対条件は「計画的にやる」ということである。

計画的でなければ、間違いなく勉強は行き当たりばったりになる。その結果、「本当にこのままで合格できるのか」と不安になる。勉強もただ目の前の与えられた参考書に手を付けるだけで、「いつまでにこれを終わらせるのか??」ということを考えず、気づいたらやるべきことが最後まで終わっていなかった、なんてことが起こってしまう。

計画を立てれば、「どの参考書をいつまでに終わらせればいいか」ということがはっきりとし、今やるべきことが明確になる。効率的に勉強をするためには計画を立てることは絶対に必要である。だが、絶対に合格するためには「計画を立てる」だけでは足りない。絶対合格するためには、「余裕をもって計画・行動・フィードバックの循環プロセスを繰り返す」ということが重要だ。今回のキーワードは「余裕」である。

・受験生はなぜ余裕が求められるのか?

日常生活では余裕を持って行動することは大切だ。ただ受験生にとって「余裕」というものは絶対的に合格に必要だ。むしろ人一倍余裕をもって行動しなければならない。ではなぜ受験生に「余裕を持つ」ことが人一倍求められるのか??

それは、「受験本番、人間は実力の100%を発揮することが不可能」だからだ。

脳科学的に「受験本番、人間は個人差はあるものの全体の67%しか実力を発揮することができない」ということが頻繁に言われている。本番は誰でも緊張するものだ。緊張するということは勉強してきた証拠であり、健康的な証である。だから絶対合格する受験生は、「本番で67%の実力しか発揮することができない」ということを理解しているから、受験計画は発揮できない33%の余力を残した上で余裕をもった計画を立てるのである。

では具体的に余裕をもった計画というものはどんなものだろう。もしあなたが、「茨城大学」を目指しているのであれば、その上の「筑波大学」でA判定を取ることを目標として受験計画を立てるのである。もし本番で思いもよらないハプニングがあったとしても筑波大学でA判定がでるような勉強をしてきたならば「半分と少しの実力でも合格できる余裕」をもつことができる。結果、絶対合格することができるのである。ほかにも、あなたがもし「東北大学」を目指しているのであれば、「大阪大学」でA判定を取ることを目標として受験計画を立てればよい。

また受験計画において、やるべきことは受験当日の1、2か月前に終わるように設定しておくのが良い。その為には受験の序盤で全力疾走し、前半でほぼ八割程度を終わらせておくことを意識しておくことが重要だ。時間がまだまだあるからと言って油断しては絶対にいけない、時間があるからこそ余裕があるうちにタスクを終わらせておかなければ、追い込まれて効率はますます下がる一方である。むしろ時間があるときが、全力を出せる唯一の機会なのだ。その為、受験生はこの間にタスクを速攻で処理しなければならない。

基準になるのは「序盤で8割を終わらせる」つもりで勉強することである。

一見大変そうに見えるこのことも精神的に余裕があり、全力を出せる期間中であれば意外と簡単に終わらせることができる。さらに言えばやるべきことを一日のタスクに落とし込んだとき、午前中にタスクの8割を終わらせることを目標に取り組むといい。一日で最も集中できるのは午前中である。頭がすっきりした状態で集中して取り組むと案外8割はすぐに終わるものだ。午後は残りの2割程度をコーヒーでも入れて優雅に余裕をもって終わらせるだけだ。

計画を立てるとき序盤に8割程度を終わらせるつもりでやると、最終的に余裕をもってゴールすることができる、もし不慮の事態があったとしても余裕があれば冷静に対応できる。受験生はこの余裕をもつことが何より大事なのである。

受験計画において余裕をもつことが大事である理由はもう一つある。それは、ギリギリの状況において人間は全力を発揮することができないからだ。大学生でも徹夜して明日のテストに臨んだりすることがある。直前の追い込みで何とか巻き返そうとするが、ほとんどは失敗する。なぜなら、直前は常に試験本番というタイムミリットに追われて、全力で勉強に向き合うことができないからである。つまりは人間は直前では最大パワーを出すことはできない。心に余裕があるから実力の最大限を出すことができるのである。

もうひとつ大事な理由を挙げると、余裕を持つことで「フィードバックの機会を取ることができる」点にある。最短ルートで合格するためには一定周期のフィードバックが不可欠である。フィードバックを行う目的は主に二つある。一つは「今までやってきたことを振り返り反省すること」、もう一つは「自分と向き合うこと」である。まずフィードバックをすることで自分の勉強のペース(いつまでに終わるのか?、理解度は何%なのか?)を客観的に確認することができる。もし余裕がない受験勉強をしているとフィードバックする時間がない。フィードバックは受験計画を再考し、軌道修正するのに役立つ。合格するのに最短距離を目指さない理由はない。またフィードバックを通して自分と向き合うことができる。例えば、自分と向き合うことで、現在の行動が合格に直結しているのか、いつまでにどれくらいの偏差値を取らなければいけないのか、モチベーションは保てているかどうかなどを確認することができる。フィードバックは最短距離合格に必要不可欠な作業である、それゆえに余裕を持つということが重要なのである。

・全力を出すのに適しているのは”序盤”である

モチベーションと余裕は両輪の関係にある。この二つの要素のうちどちらが欠けていては最短ルートで進行することができない。モチベーションと余裕の両輪を上手にバランスよく動かすことで効率よく合格に近づくことができるのである。

定期テスト前に徹夜して何とかしようとする受験生では効率的に合格することはできない。あらかじめ余裕をもってゴールしようとする受験生は、たとえ勉強量は変わらなくても直前型の受験生と比べて圧倒的に勉強の定着度が高くなる。直前型の受験生は、「直前になればなるほど勉強効率は低下する、もっとも全力を出すのに適しているのは序盤である」ということを深く理解し実践していく必要がある。計画性に勝る火事場の馬鹿力というものは存在しない。慌てて勉強に取り組む受験生は二流なのである、一流の受験生は余裕をもって序盤に全力を出そうとするのである。「余裕を持つ」ということの重要性を理解していただけただろうか。是非実践していただきたい。




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