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それでも春は好き


この時期になると職場で一生鼻をかみ続ける人や、交通機関を利用するとそこら中から鼻をすする音がする。職場で一生鼻をかみ続けている人に「花粉症ですか?辛そうですね」と、声をかけると「辛いよ。でも君も気をつけな、急になるで」と返ってきた。

おいおい、約20年間生きてきてそんな兆候ひとつも無いんだ。慢性鼻炎はあるけど、花粉症なんて縁なしなんだよ私は。目も鼻も喉も超健全よ。

22歳の春、花粉症罹患。

目が痒すぎる。痒すぎて最早痛い。瞼がかぶれてきた。鼻もズルズルで死にたい。ティッシュ抱えてないと生きられない。喉が痒い。死ぬほど痒いから外側から搔いても、はたから見たら雛見沢症候群の人に見えるだけで、私が痒いのは内部なのだ。おい、どうしたら喉を直接掻くことができるんだ。助けてくれ、雛見沢症候群より辛い。絶対そんなわけないけど、本当に辛い。

そんなこんなで去年の春から花粉症デビューを果たした私なのだが、今年もやってきました花粉症。

起きてすぐ、してはいけないと分かっていても目を掻き毟ってしまう。うおおおおお!とか心の中で叫びながら瞼に火着くんじゃねえのってくらい掻き毟る。満足するまで掻き終えたら次は、もう既に唇の上まで垂れてしまっている両鼻から出た鼻水を、勢いよくティッシュでかんで泣きながら捨てる。

これが毎日。

内科で貰った薬は効かないし、瞼がびろびろになっている気がするし、鼻の下も赤くかぶれちゃってんだ。これいつまで続く感じですかね。

先人たちはベテランの面構えで私に言うのだ。「付き合っていくしかないから」「5月終わるくらいまでは続くから」「みんな辛いから」うるせえよ。みんな辛いのなんて分かってんだ。辛いからって泣くんじゃねえよ、私だって目痒くて涙止まんねえんだ。あんたもか。

さあどうしたもんか。今日も朝から耳鼻科に来ている。入った瞬間、スリッパが1つもなくて、いくらなんでも混み過ぎてない?と思ったけど、ここにいるみんながもしかすると花粉症かもと思うと愛しくてスクラム組みたくなっちゃうんだ。

混みあった耳鼻科の待合室で、名前が呼ばれるのを待つ時間にこれを書いているわけなのだが、今日処方してもらう薬で果たして私は楽になれるのか。楽しみだ。

花粉症のみんな、一緒に春を生き抜こうな!

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