黒歴史を葬ることに成功した話。



ときは2020年12月。わたしはもういいかげん黒歴史を葬りたいと苦悩していた。

人類みな黒歴史クリエイター。今も昔も場所は変われど何かしらの黒歴史を創り上げていることだろう。
例に漏れずわたしも黒歴史クリエイターだった。いや、わからぬ。今も黒歴史クリエイターなのかもしれない。

さて、現在アラサー諸君には身に覚えがあるだろう前略プロフィールは2016年に幕を閉じた。
素晴らしいのは、そこに登録されていた数多の黒歴史を全てまとめてこの世から消し去ったことだ。

前略プロフィールというのがなんだったのか、実際のところはわたしもよくわからない。自己紹介を書くだけのサイトだ。HN、誕生日、好きな人、将来の夢…書く項目自体は選べるので、公開したくない情報は書かなくていい。たったそれだけなのに、ログインできなくて削除できず阿鼻叫喚をあげる人がたくさんいたのだから驚きだ。

勇者の手によって黒歴史がこの世から滅びた2016年。ただの村人Aであるところのわたしは、自身の黒歴史について遡った。もし消せるのなら強大な闇になる前に己で消し去っておこうと思ったのである。

更新していた記憶のあるアメーバブログにログイントライしてみた。無理だった。まあそりゃあ覚えてないよなあ。
ここで発狂しなかったのは、自分の黒歴史がどのくらい黒歴史か、記憶になかったからだ。中身がわからないのだから怯えようがない。しかも自分が確認できないことで、全く知らないひとがなにかのはずみで見れてしまうという現実をきちんと実感できていなかった。愚か者め。

「パスワードを忘れた場合は」というのも無論試した。惨敗。メールアドレスが自分が想像しているよりずっと古いもののようだ。もう使用不可能なために、再設定のメールを受信できない状態だった。
見れないとなると見たくなるものだ。昔はどんなこと書いていたのだろうという好奇心に負けて、記憶を頼りにいろんなワードで自分のブログタイトルを探してみることにした。

試すこと数日。自分のブログをネットの海から発掘した。絶望した。なんて恥ずかしい。
厨二病で長文羅列してあった方がまだマシだった。日本史のテストで年号を覚えたくないから、もうそんなに乱を起こさないでくれというたった数行のブログが、こんなに殺傷能力を持つ攻撃になるとはかつての自分は思いもしなかっただろう。

かつてのこっ恥ずかしい己と対面したわたしは、そのブログをひとまずブックマークした。対象は見つかった。あとはログインするだけだ。記憶が正しければブログのURLの一部がIDだったはず。メアドがだめでもこれで自分のIDが把握できた。あとはパスワードを再取得できれば勝ちだ。この世からまた黒歴史をひとつ葬ることができる。

それから試しに試したが、結論無理だった。本人確認の方法がメアドしかないのだ。当時使ってたメアドが使用可能か不可能かは関係なく、これを使っていたというメアドを把握している必要があった。
当時迷惑メールがひどかったこともあって、たびたびメアドを変えていた。おかげで全くメアドを思い出せないのだ。

過去のメアドの検索ができないか調べてみたが、不可能だった。メアド変更の送信履歴があればなあと思ったが、7年前の送信メールが残っているはずもなく。そもそもむかしは保存できるメールに限りがあって、保護をかけていないと古い方から自動的に消えていく仕様だったのだ。もはやここまで…。

思い出してはいろいろ試し、諦めてを繰り返して4年。友人は一足先に黒歴史との戦いを終えていた。
そろそろわたしも決着をつけるべきだ。お問い合わせフォームからメールを出した。

管理不足で情けない、手数をかけるがブログを消してほしいと。翌日には返信が届いた。手始めは本人確認だったが、これまで述べた通り、使用していたメアドもパスワードもわからないし、IDを知っていたとしてもURLから推測可能なので本人の証拠にはならない。この手順を対人でメールのやりとりで繰り返し、無理か〜〜と諦めかけたところで、他者からの異議申し立てということで非表示にはできるという提案があった。

もうそれでいい。とにかく誰の目にも触れなければそれでいい。

本物の管理者が表示したいといった場合には再表示されることに同意する誓約をメール上で結び、送られてきた必要情報と身分証の写メを添付して、晴れて黒歴史の封印を成し遂げたのだ。

メール対応の速さにはたいへん感謝しているし、結果として非表示になっているので満足ではあるが、せめて誕生日とか内緒の質問とか、メアド以外の本人確認方法を採用してほしいものだ。あと純粋にもう7年もログイン履歴がないんだから消していいと思うんだよね。何年以上ログインがない場合は自動的に削除される設定にしてほしい。

ということでわたしの黒歴史との戦いは幕を閉じた。
もしアメブロで黒歴史との戦いにひとりでは太刀打ちできないと打ちのめされているみなさま。お問い合わせするんだ…!お問い合わせで己の黒歴史と訣別できるから…!

とはいえこのnoteもいずれは黒歴史になることだろう。わかっていて公開するのだから始末に負えない。
絶対に消す。もうそろそろいいかなと思ったら絶対に消す。これまでの自分に誓う。絶対だ、絶対だぞ!!