見出し画像

試写会レポート『氷の微笑(4Kレストア版)』※登壇:岩井志麻子氏

※本記事は2023年6月に参加したレストア版の試写会レポートです。
※この日のアフタートークは、映画ジャーナリスト/立田敦子さん・作家/岩井志麻子先生・映画評論家/森直人さんによる登壇でした。


あらすじ

あらすじ:サンフランシスコの刑事、ニックはかつてのロックスター殺害事件の捜査に乗り出す。いくつかの不穏な痕跡から、当時のアリバイが不確かなキャサリンという作家を尋問するが、享楽的な彼女に次第に翻弄されていく。駆け引き、愛、そして新たに起こる不可解な事件の数々―。出口のない迷路にはまったニックが唯一頼れるのは、彼自身の本能だけだった…。(引用:filmarks

レストア版とは?

試写会レポートの前に、レストア版とは何か?について解説します。
レストア版とは、オリジナルのフィルムを一からデジタルで修復する事を指します。例えばフィルムについてしまった埃を綺麗にクリーニングしたり、画面に出てしまったノイズを消す、変色してしまった色を元通りにするなどの作業があります。そしてほとんどの場合、フィルムを綺麗にするだけなので、映画の内容には手を加えないのが一般的ですが、本作では劇場公開版より40秒ほどシーンが追加になっています。

アフターレポート

今回の記事では登壇者さんの感想や考察は割愛し、アフタートークのなかでも、制作エピソードに関する箇所を抜粋してレポートします。

劇場版との違い

今回のレストア版は、劇場版から40秒ほどシーンを追加した完全版。劇場ではカットしたベッドシーンが追加され、さらに無修正に変更したため、公開当時のR15→R18に変更されました。

氷の微笑2

マイケル・ダグラスは、続編『氷の微笑2』の出演を断り、シャロン・ストーンはオファーを受けた。前作と違い、2はラジー賞を獲るほど出来が良くなかった。

手首を縛るシーン

監督の他作品(『ベネデッタ』だったかな)にも出てくる縛りのシーン。これはキリストをイメージしたもので、アンチクライスト的な要素を含んでおり、背徳感を表す演出の1つとして監督がよく使う手法。

影響を受けた作品

『氷の微笑』では、ヒッチコック監督の『めまい』のオマージュがいくつかあり、ポール・バーホーベン監督自身も影響を受けているとインタビュー等で明言している。逆に『氷の微笑』に影響を受けたとされているのはパク・チャヌク監督の『別れる決心』で、刑事が容疑者を見張っているうちに惚れてしまうという構図が引用されている。


⚠️アフタートーク(ネタバレあり)

ここから先はネタバレを含みます。
未鑑賞の方は、ご注意ください。

引用:公式サイト

⚠️犯人は誰?

公開当時、真犯人は一体誰なんだと世間では様々な考察が出回ったらしいが、のちに監督&シャロンがインタビューで『キャサリンが犯人』と語ったそうです。すっきり。

***

世代的にシャロン・ストーンの作品を映画館で観ることができなかったので、今回リストア版をきっかけに劇場の大きなスクリーンで鑑賞できてよかったです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?