父と近親相姦をしていた話
東京。
私はある一室に暮らしてた。
貰い物の布団に寝ていた。寝心地のとても良い上質なマットだったのに悪夢ばかりを見ていた。
夢の内容は父との近親相姦だった。
最初に見た時は「うえー気持ち悪い」という感想で流していたが、妙なことに何度も夢の中で父と近親相姦をしていた。
断っておくが本当に近親相姦をした記憶はない。
記憶がないだけで実際にはしたことがあるのでは?と自分でも疑問に思ったが、私はかなり父に生理的に嫌われていたので父が私を抱くことはないと結論付けた。
じゃあなぜ近親相姦の夢を見るのか。
夢占いなどを漁ってみると「精神的な繋がりが~」とあった。
実家から失踪し、東京のとある一室で過ごしていたその時「父との精神的な繋がりねぇ」と少し考えてみたけれどよくわからなかった。
たが、繰り返すその夢もある日終止符が打たれた。
夢の中、いつもとは違って最中のシーンではなかった。
私は父に妊娠した旨を伝え、流産すると報告をした。そして場所は実家の居間。私は報告を終えて自室へ。
ドアを開けて部屋の中心へと歩んで、気づいた。
カーテンレールで血にまみれた赤子が長いへその緒を使って首を吊っていた。
私は悲鳴を上げた。この時点で夢であると気づいた。
しかし夢からなかなか覚めず、30秒ほど部屋の隅まで後退して固まっていた。
そして目が覚めた。
私はあまりに理不尽で気味の悪い夢に怒りと悲しみが湧いた。
なぜこんな夢を見せられるのか、なぜこんな気持ち悪いものをみせられなきゃいけないのか。
目が覚めて重い身体をやっと持ち上げて四つん這いの体勢で大声を上げて泣いた。
咆哮のような激しい慟哭だった。
それ以来近親相姦の夢はパタリと止んだ。
不思議だったが、夢の中での妊娠と中絶を体験したことで父との精神的な鬱陶しい繋がりが断てたのかもしれないと今はぼんやりと考えている。
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