188.認めた?

 FMを聞いていると、
「マドンナが認めた」
 という触れ込みで、ミシェルなんとか……という若い女性アーチストの曲がかかっていた。
 ぼくは「そうか。認めたんだ。あのマドンナがね」と感心し「うんうん、いい曲じゃないか。さすが」なんて一人ごちたりする(な~にが”さすが“なんだか……)。

 そういえばかのマイケル・ジャクソンが現在のスーパースターになったのは御大クインシー・ジョーンズがプロデュースしたおかげだから「クインシーが認めたマイケル」とも言える。
 そのクインシーだって、かつてライオネル・ハンプトン楽団に在席していたらしいから、正しくは「ライオネル・ハンプトンが認めたクインシーが認めたマイケル」か?
 さらに、ライオネル・ハンプトンはベニー・グッドマン楽団で脚光を浴びて有名になったというから、もっと正しくは「ベニー・グッドマンが認めたライオネル・ハンプトンが認めたクインシーが認めたマイケル」……こうなるともうキリがない。

 どうも、音楽業界ではやたらと「認める」ものらしい。そこには「認めた側」と「認められた側」の双方に大物感を漂わせる効果があるからだ。
 そういえば、かの楽聖ベートーベーンは16歳だか17歳だかの時にウイーンのモーツァルトの家でピアノを弾き、モーツァルトはその才能に驚いたという真偽さだかではない故事があったような…。当時は「モーツァルトが認めたベートーベン!」という売り文句があったのだろうか?

【モンダイ点】
◎「立川談志が認めた爆笑問題」というのもあるのが……、お笑いだとどうも締まらないなぁ。

(2001/12/19)

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