構えが大きすぎる!

 ここでちょっと寄り道して、ぼくの本タイトルの特徴を。
 これまでに出した自分の本のタイトルから、特徴的なキーワードを抜き出すと……

超 宇宙 20世紀 歴史 天国 東洋一 愛と青春 日本人

 一目見て、なんだか「大きなワード」が多いことがわかる(宗教家かお前は! とツッコミたくもなる)。
 自分では「構えが大きすぎる」と思っている。まあ、ぼくのモットーは「森を見て木を見ない」であり、それが長所なのか短所なのか自分でもよくわからないが、ゆえにタイトルも意図的にそうしているのだ。

 その理由の一つは、箱庭的でウエットな文化風土が好きじゃなく、もっと視野を大きくカラッとしたい、という願望から。これは自分自身への「視野狭窄になるなよ」というイマシメでもある。
 もう一つは、とはいえ、ぼくが書くものはわりとチマチマした細部で遊ぶことが多い。たしかに世の中で面白いのは細部なんだが、それは常に大きな世界観があっての細部。なので、逆にタイトルはわざと大きくした方がギャップがあって面白い、と思ってのことだ。

 ところが、タイトル決定に際し、たぶん営業・販売側から「そんなに大風呂敷を広げないで」と言ってくることもある。「どーせチマチマしたこと書いてるんだから、もっとチマチマしたタイトルに」と言う。きっと、その方が売りやすいんだろう。日本人好みでもあるし。
 で、編集者は、販売とぼくとの板挟みで苦労することもあるようだ。ゴメンナサイ!

 そういう訳で、時に妥協案で言い訳みたいな長いタイトルになってしまうこともある。
 でもぼくは今後も、「構えの大きなタイトル」を提案し続けるんだろうなぁ…。

お読みいただき、ありがとうございます。本にまとまらないアレコレを書いています。サポートしていただければ励みになるし、たぶん調子に乗って色々書くと思います! よろしくお願いします。