笑う20世紀・緑
電子書籍のシリーズ追加作の紹介です。これが「緑」。
まだ書き方がよくわからないので、試し試しでモウシワケない。(カッコ内は初出誌)
「夢見る瞳」(小説春秋)
「LA温泉郷繁盛記」(野性時代)
「北海道株式会社」(小説春秋)
「農業後継問題」(アンソロジー文庫「ホシ計画」)
「ガト王の靴の」(同)
「書評」(ショートショートランド)
新人作家の気負い?
この中の「LA温泉郷繁盛記」は、まだ大判時代の「野性時代」から依頼があって書いたもの。ゲラ直しは印刷所に行ってやった。これはぼくの勝手な想像だが、新人のぼくを「わざわざ印刷所に呼びつけて出張校正させる」ということに意味があったのではないか、と思う。編集者の立場として。つまり、新人作家と編集者の位置取りというか、下世話な言い方をすれば力関係を、今後のためにハッキリさせておきたかったのだろう。
ところが実は、ぼくは前職で新聞を書いていた。業界団体の機関紙だったが、月三回刊。活字をひろう古臭い新聞印刷所に出向き、油とインクの匂いが充満する小部屋で、棒ゲラ校正→四面分のゲラ校正→校了という作業を毎度経験していた。つまり、「印刷所での出張校正」なんて日常的で、慣れたものだったのだ。
(ふ~ん。こういう所に呼んで、ぼくをビビらせようとしてるのか?)と当時ぼくは思った。そして、(残念ながら、なんとも思わない)と。ま、これはこっちの勝手な深読みだったかもしれないが。新人の気負いというやつで。
もっとも、その後、野性時代からはお呼びがかからなかったので、「今後」もなにもない。新人作家の気負いなど、まったく意味がなかったのだが。
マキタスポーツ的?
そういう雑誌の評価とは別に、自分では気にいった作品です。長さは中編。元歌のない替え歌を書いていて、要するにこれは「J-POPのパロディ」なのです。今ならマキタスポーツさんがやりそうなこと。この原稿当時では「シティ・ポップ」という言い方になってます。なにせ、1986年ですからね。
お読みいただき、ありがとうございます。本にまとまらないアレコレを書いています。サポートしていただければ励みになるし、たぶん調子に乗って色々書くと思います! よろしくお願いします。