162. 楽しいのか?

 先日、ある夢を見て目覚めた。それは「猫じゃ~♪ 猫じゃ♪」というお座敷遊び。
 時代劇の宴会シーンで時々見かける。お殿様らしき人が目隠しして、賑やかな三味線のお囃子にのせて女性たちを鬼ごっこのように追い回す。で、腰元みたいな女性たちは「キャー!」「こっち、こっち」なんか言いながら逃げ回っている。

 ……ひょっとしてここに書いているものは、まったく「猫じゃ猫じゃ」とは別の遊びなのかもしれない。が、ぼくはお座敷遊びなんかしたことがないのでわからない。ペリー荻野さんなら知っているだろうが。教えて、これって合ってるの?

 合ってるかどうかは無視して、話を先に進める。とにかくぼくは、こういうシーンの夢を見たのだ。うーん……こんなヘンテコな夢で目覚める人間なんて、世の中にいるのか?(ペリー荻野さんを除く)
 フロイトだとこの夢をどう分析するのだろうか? 
 で、時代劇ではこういう遊びを終えたあと、
「いやぁ、愉快。愉快」 
 なんて言うんですけどね。ぼくには、
「それって楽しいのか?」
 という疑問がわくのだ。
 だいたい、時代劇の宴会シーンというのはちっとも楽しそうに見えない。それは時代が違うという問題なのか、それとも演出の問題なのか?

 もっとも、お女中が帯をしゅるしゅるとほどかれながら独楽みたいにくるくる回って「あ~れぇ~」と叫ぶシーンは、ぼくにも楽しそうに見えますよ。でも、あれはお座敷遊びじゃなく、別の行為でしょ? たぶん。

【モンダイ点】
◎実は現代劇においても、日本のドラマは宴会やパーティーシーンを楽しそうに描けないのだが。

(2001/6/13)

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