213.新水戸黄門

 今年も高額納税者番付が発表された。なんといっても、話題はトップになった高橋氏。
 いや、トップであることが話題なのではない。この方は某企業グループを率いて、以前から高額納税者番付の常連。今回一位になったからといって、別に驚かない。
 話題なのは、その住所。高橋氏は沖縄の小さな村に住民票を移していたので、その村の税収がいっきに上がってしまったのだ。国のヒモつきではない巨額の財源が転がり込んだのだ。喜んでましたね、その村の役場の方。当の高橋氏も、こういう形で地域住民に恩返しできるのは嬉しい、みたいなことを語っていた。
 いくら大金持ちでも大都市の中では、個人の税収は相対的に小さい。しかし、地方の小さな自治体ならばお金の有り難みがわかるし、その使い道も見えやすい。

 そこで、どうだろう? 今後、高額納税者番付の上位十位までの方は、全国各地の財政難に悩む小さな町や村を順番に回って住むというのは?
 その町に巨額の税収を落とし、住民サービスを向上させて、また別の町や村に引っ越していく。これは現代の水戸黄門ドラマになるのではないか?
 すると、ドラマの後半部分では必ずこういうシーンがあるわけだ。
「控え、控え。このお方をどなたと心得る! 先の高額納税者番付一位の**氏なるぞ!」
 と、0がズラズラ並んだ高額の納税証明書をかざす。するとみんな、
「へへー!」
 ……なんか、イヤミなドラマ。

【モンダイ点】
◎現代劇になっても、やはり由美かおるは出演するのだろうか?

(2002/6/19)

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