222.夏休み

 およそ15年くらい前から、ニュース番組や情報番組、ワイドショーは「**キャスターは2週間の夏休みです」と堂々と言えるようになった。
 かつては「メインの出演者は、雨が降ろうと槍が降ろうと休むべきではない」という勤勉実直農耕民族的律義さがあった。また出演者側には「休んでも現場が困らなければ、アイツいらないんじゃないか? と言われてしまう」という安穏怠惰公務員的恐れもあった。

 が、今はむしろ、ちゃんと長期休暇を取るほうが「あの人、大物なんだな」とか「家族との時間をキチンと取る欧米人的意識を持ってるのね」というプラスイメージになる。逆に、夏休みを取らないと「あの人、小物なんだな」などと、いわれのない非難を受ける。本人、汗水垂らして働いてるのに!
 夏休みが常識になった今、年末年始も休暇を取るキャスターが増えつつある。これ、実は日本人のDNAに刻まれた「休み」の期間なのだ。かつての盆暮れ正月・藪入りの風習。そして誰もが経験してきた学生時代。そのおかげで、日本人の休暇遺伝子にはきっと「ここは休んでも許される期間」と刻まれているのだ。だから視聴者も「こいつ、しょちゅう休みやがって」と文句は言わない。

 ならば、である。キャスターたちよ、休暇遺伝子に刻まれているであろう次なる期間「3月の学年末試験休み」そして「ゴールデンウイーク」も狙えるのではないか? なんだか、いい大人がどんどん学生みたいになっていくようだが……。

【モンダイ点】
◎「夏休みデビュー」をして、似合わないパーマ姿で登場するキャスターいないかなぁ。何があったんだ?

(2002/8/28)

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