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ロッキンおせち


また今日もサイゼリヤからワインを飲みつつ「#呑みながら書きました」をお届けします。

って軽躁も随分と落ち着きましたが、そろそろ休肝日を取った方がいいですね。

今日はバス停に立っていたら、ふと精神科に入院していた時のことを書こうと思い立って、なぜか病棟のTさんのことを思い出していました。

とある入院の時です。初めてでした、年末年始を閉鎖病棟で過ごしたのは。
(閉鎖病棟って、出入り口に厳重なロックが掛かっていて、患者は基本出入りは出来ません)

それが、けっこう楽しかった。
あの、世間はお祝いモードなのに、何でうちらこんなアタマオッカシー病院に閉じ込められてんの感。


1月1日、起床時間前外はまだ薄暗い。私が廊下に出ると案の定もうTさんが起きていて、顔を合わせると「明けましておめでとうございます」とご挨拶。こんなとこに閉じ込められて、ほんとに新年早々めでたいのか、私たち。

Tさんも閉鎖病棟の早起き組のうちの一人だ。Tさんは、廊下の先の小さな窓と食堂の間を行き来しながら、「日の出もうすぐくるね!くるね!」とわっくわくである。

他、起きている4、5人も廊下の先の小窓をチラ見に行き、いよいよかという時に、周りには薬で患者が寝静まっている中、私たちの小さな歓声が上がった。

ほんとに小さな小さな小窓。指3本分くらいしか開かないから首も出せない。他の部屋の窓も同じだ。なにせ閉鎖病棟だ。

日がのぼり、外が明るくなった。私たちの気分も明るくなった。

でも、ねぇ、なんで私たち、精神を病んでるんだろう。なんでこんな所に閉じ込められてるんだろう。

その後は、Tさんが大好きな給食だ。給食を食べる席は自由なのだが、私は窓際のいつもの指定席に座った。そこからは、給食を病棟に運んでくるワゴンが見える。Tさんはワゴンが見えると、食堂の患者の皆んなに「来たぞー」と知らせてくれるのだった。

年末年始の給食は、ちゃんと大晦日っぽさ、おせちっぽさを醸し出していて、いつも給食に不満たらたらの私もほくそ笑む。

そして、私は給食を食べながらまた外を眺めてはこころの中で、外を行き交う人に声をかける。

「ヘイ元気かい、下界の人々」

あぁ、私たちがここに閉じ込められている理由はなんなんだろう。下界の人々と何が違うのだろう。


って前ちょっぴり書いたっぽい文章だけど、もうしめっぽいのはやめよ。

で、まぁ、私の席の隣には、宇宙と交信する人もいたりしました。でも、その人が下界で生活していて何か迷惑でしょうか。
きちんと福祉や医療の援助の人達が側につく訳です。

こういう宇宙と交信できちゃう人達の多くは、100人に1人が罹患すると言われる統合失調症かもしれません。

ついでに書くと、統合失調症には、幻聴、幻視、妄想など、いろいろなスピってる不思議現象が出てきます。

今でもよく連絡を取り合う妹のような病棟友達は、所謂「見えないものが見える」子でしたが、今では薬が効き見えなくなりました。
たまに薬の副作用で眼球上天(ジストニア)といって目が上がったりするものの、精神的に安定しているようです。

笑っちゃいけないけれど、一番笑ったのは、Sさんの幻聴さん。
病棟の食堂でSさんが困った顔をしていたのでどうしたのかと聞くと、幻聴のヤクザが怖いとのこと。

ほほう。「それは怖いですねぇ」と私が言うと、「ただ、やくざにも、悪いヤクザと善いヤクザがいるんです」と。ほほー。

とある友人は、お父さんに食べられると思って家を逃げ出したそうで、病院の受付で二人で爆笑しました。

正気に戻ればただの笑い話。ウルトラナチュラルハイは、脳内のドーパミンが関係しているそうです。

統合失調症については、いつか「幻聴妄想かるた」をぜひ手に取ってみたい。


今こんな季節外れの話をサイゼリヤで書いていますが、イタリアは精神科を閉鎖したことで有名です。

この間、久しぶりに『ニューシネマパラダイス』を観ました。
そこに、広場に住まう主でちょっと気が触れた男性が出てきます。
多分、今の日本だと精神科に通わされているような人です。

私の勝手な想像だと、あの土地で当時はそういう人を「普通とは違うけれど同じ人間」として受け入れる土壌があったのではないかと思います。

ちょっと飛躍しますが、婚活でクリエイターの人達と話して気付いたのは、精神病や発達障害だから才能があると思われることが多いということ。
サラリーマンなどからは逆に避けられることが多い。これも偏見か。

少なくとも私は天才ではない。
Tさんは、あー天才バカボンだと思ったことはあるか。

私が書いてできることって何だろう。
酔っ払って荒れた文章を書くこともあるだろうけれど、生きづらさを抱えている仲間に助け船を出せたら良いな。

ということで、まずは、この記事を書いた一歩として、日本でも精神病への偏見が少しでも拭われることを願って病みません、ってダジャレを書いて今日は〆め、千鳥足で家に帰ります。

では、では。


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