第8回online西千葉一箱古本市
5/17に開催された第8回online西千葉一箱古本市で出品した本の記録。
こんな感じで紹介していきまーす。
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〇〇冊目。
①著者名②書籍名③出版社④値段
【写真】
◆紹介文
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それでは、
はりきって1冊目。
①津村記久子②アレグリアとは仕事はできない
③筑摩書房④¥300
▽紹介文
アレグリアはコピー機だ。コピー機にキリキリしてもしょうがない。機械なんだから、故障すれば修理したら良いし、古くなったら買い換えれば良い。ただ、それだけのことなのに、なかなか思い通りに動いてくれず、頑な態度を貫かれて、閉口したことはないだろうか。
「紙が詰まった」とエラーを示しているのに、どこを開けても紙の「か」の字もなく、
「印刷完了」と早々に示しているのに、なぜか今日だけは一向に出てくる気配はない。
「みんなもそうだよね?」と憂さ晴らしに社内で同意を求めれば、
自分だけがそんなひどい仕打ちを受けている事を思い知らされる。
たかがコピー機、
されどコピー機。
消化したくてもしきれずに残り続ける仕事に纏わるもやもやを丁寧に描き出す短編集は、ホラーより怖いビターなラストが面白い1冊。
続いて2冊目
①津村記久子②とにかくうちに帰ります
③新潮社④¥300
▽紹介文
タイトルに惹かれて買った短編集。一言で言えば、普通に働く人々のフツーの話。「そんな小説、面白いのか?」と聞かれたら、ゆっくりと力強く「面白い!」と答えたい。
それはきっと、「私ならこんな時どうする?」と思わず考えたくなるような、働く人々のリアルな喜びと悲しみが詰まっているから。
「寒くない?」
「あんたこそ」
と、決して大げさではなく、でも確実にお互いに気遣い、声をかけ合いながら、明日も働こうと思える一冊。
ほんじゃまかさっさ~3冊目
①江弘穀・津村記久子②大阪的
③ミシマ社 京都オフィス④¥500
▽紹介文
~本に同封されていたくじら通信より抜粋~
関西在住の名物編集者と人気作家が地元・大阪のええとこもアカンとこもとことんしゃべり、つづった爆笑本。
「あれ?なんだか津村記久子を推してくるなぁ」と思ったそこのあなた。正解。私は毎回それとなくテーマを決めて出店するのだが、今回は津村記久子祭りを絶賛開催中。今読みたいのは、あるいはこれからも読み続けたいのは津村記久子だから。なぜならば、私は今日も明日も会社に行って働くからだ。仕事があるだけあり難いことだが、押し寄せる仕事のデジタル化の波や、段階的に強化される社内のコロナ対策にイライラは加速しやすくなった。そんな時は津村記久子のウェット過ぎずドライ過ぎない文章が読みたくなるのだ。
・香川から始まる大阪の話。
・「トランプってヅラかな」と思い続けないと
あかん話。
・小説の書き方も一日ごとにたぶん忘れてる話。
どれか一つでも気になった方は手に取ってみてくださ~れ。
そいでは4冊目
①津村記久子・深澤真紀
②ダメをみがく~”女子”の呪いを解く方法~
③紀伊国屋書店④600円
▽紹介文
この本は、神戸のcafé yom pan(*)の本棚で見つけた。作家/津村記久子と編集者/深澤真紀を、私はこの本で初めて知ったが、根性論や上昇志向ではなく、ライフハックとありもので生きる/働くという考え方が面白かった。
~目次抜粋~
・大人だから耐えてやってるんだよ、調子のんなよ!
・「適性」「工夫」「風向き」でなんとかしのいでるだけ
・ぬるい会社がいい
・他人を使ってガス抜きするやつから逃げる
・転職のたびに自分のキャラ設定を下げる
どれか一つでも気になる目次があれば、手に取ってみてくださ~れ。
(*)https://twitter.com/cafeyompan?s=20
あと、はんぶん! な 5冊目
①津村記久子②くよくよマネジメント
③清流出版④¥600
▽紹介文
この本は下北沢の本屋B&Bで買った。B&Bが2階(第2マツヤビル2F)にあった頃なので、2017年位だろうか。その後地下1階(ビック・ベン)に移転して、今年の4月に新たに移転OPEN(*1)したので、また行ける日が来ることを私は楽しみにしている。
さて、この本を買った時は、別にくよくよすることはなかった。むしろ、くよくよ期がようやく明けた頃だった様に思う。ではなぜ手に取ったのかというと「~マネジメント」や「~活用術」といった本のイメージからくるビジネス!バリバリ!とは真逆の、ゆるふわな表紙のイラストに惹かれたからだ。そして序文の【くよくよにもさばさばにも貴賤はない】という言葉にガツンとやられた。他にも【「何でも言っちゃう」派は、逆に「何でも言われちゃって」平気なのでしょうか】等々、言い得て妙というか、喉に長いコト刺さっていた魚の骨が取れた様な、爽快でありながら練られた言葉の数々に、勇気をもらえるのだ。買ったその日に近くのCAFE SEJOURで一気読みした時の幸福感はよく覚えている。今なら下北沢に新しくできたfuzkue(*2)で読むのも良いなぁ。
元気ハツラツな時も、毎日少しずつ削られて、すり減って、頭が上手く回らないなぁという時にも、じわじわ効いてくる温泉みたいな本なので(各章の終わりのの4コマ漫画も必見!)気になった方は手に取ってみてくださ~れ。
(*1)http://bookandbeer.com/news/bookstore_reserve/
(*2)https://fuzkue.com/entries/937
そよそよと6冊目
①穂村弘・劇団ひとり・佐藤優・津村記久子・鷲田清一・井上荒野・赤瀬川原平・高橋秀実・平松洋子・楊逸・三浦しをん・町田康
②考えるマナー③中央公論新社④¥400
▽紹介文
~裏表紙より~
五本指ソックスのはき方からオヤジギャグを放つ方法まで、大人を悩ますマナーの難題に作家や芸人十二人がくりだす名(迷)回答集。
津村記久子を本棚から探してみたら、案外あったので我ながら驚いた。町田康と劇団ひとり、楊逸の話が私は好きだ(もちろん津村記久子も)。どの書き手もするすると流れていく文体の軽さが心地良い。どの話も見開きで終わる短い文章なので、最近本が読めなくなったなぁという方にもおススメの1冊。
もう少しだよ、7冊目
①内田樹②疲れすぎて眠れぬ夜のために
③角川書店④¥300
▽紹介文
なんだか仕事で疲れたなぁという時に、ふらっと近所の本屋さんに立ち寄って、お店をぐるぐる5周位した後に買った1冊。立ち読みしていたらのめりこんでしまい、ものすごく猫背になって読んだことを覚えている。本と猫は相性が良い。
私は大体最初の数ページで買うか決めるのだが、こんな一文が沁みた。
【氷雨の振っている冬の朝なんかに、温かいふとんにくるまって朝寝をしていて「あ、今日は学校ないから、ずっと寝ていていいんだ」と思うと、もうそれだけで王侯貴族のような幸せを感じることができます。】
なんてことのない日常風景だが、じわりと幸福感が伝わってくる。村上春樹の「小さくはあるが確固とした幸せ」を元に考察されているのだが、最近聞いたラジオ(*)でも小確幸(しょうかっこう)という言葉で紹介されていた。そういえば最近、遠くの、人間が作った乗り物や建物で過ごす時間が減った分、近所の、散歩道で見つける植物によく目が向くようになった。こたつにアイスも最高だが、アイスを買わなくとも幸せは直ぐ傍にあったりするのだ。
各章のタイトルもまた、良い。
第一章は、【ワンランク下の自分に】
気になった方は手に取ってみてくださ~れ。
(*)https://coubic.com/tegamisha/958853
ドドんと8冊目
①リンダ グラットン②LIFE SHIFT
③東洋経済新報社④¥1000
▽紹介文
この本は池袋の天狼院という本屋さんのトークイベント「天狼院働き方サミット~これからどう働く?人生100年時代、ライフシフトをぶっとばせ!~」を観た後にワクワクしながら買った。2018年の出来事だ。そして今日もワクワクは続いている。キラキラと輝くタイトルの表紙を眺め、帯の「DIAMONDハーバード・ビジネス・レビューの読者が選ぶベスト経営書2017第1位」という売り文句にうっとりし、ハードカバーの重みを確かめる。そう、まだ読んでいないのだ。積ん読である。いつか!必ず!読む気は!あるので、少し強気な値段設定となっている。
ライフをシフト。なんとなくよく聞く様になり、気になりつつも「私の生活には関係ないかな」と思っていたけれど、否応なく迫ってきたと感じることの多い今日この頃。今!すぐ!読みたい人がいるかもしれないと、ふと、思い立ったので出品。絶対に損はさせない!――-まだ読んでないけど。
にゃんと9冊目
①吉川景都②猫とふたりの鎌倉手帖 1
③新潮社④¥300
▽紹介文
~帯よりあらすじ抜粋~
舞台は鎌倉ーーー
マイペースな新米夫婦とキュートな5匹の猫たちのハートフル・コメディ
猫も鎌倉も大好きで買った。新婚夫婦の対照的な性格が面白く、特にお互いに「まるで猫みたいだなぁ」と内心で思い合っているシーンが好きだ。鎌倉の日常風景を垣間見つつ、猫の困った&可愛い生態も楽しめる1冊。
ラスト10冊目
①四宮しの②魔女と猫の話③少年画報社④¥500
▽紹介文
~裏表紙よりあらすじ抜粋~
魔法学校に通う女の子は13歳になると自分だけの猫を呼び出せるーーーー。不安に揺れるココロをそっと後押ししてくれるパートナーとの出会い。成長していく少女たちの物語。
猫と、魔女。ド直球で好きなテイストに惹かれて買った1冊。永久保存版として本棚に大事に収まっていたけれど、「働く」をテーマに考えた時にぱっと思い浮かんだので、出品することにした。
魔女の宅急便を彷彿とさせるほんわかとした世界観もありつつ、
・どんな大人になりたいか?
・魔法とは?
・働くとは?
と、胸を膨らませていた頃を思い出す。
時々手に取ってぱらぱらとめくるだけでも、温かく、確かな優しさが流れてくる1冊。
これにておしまい。
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