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なぜ韓流にハマったら新大久保に行くのか

答えは、流通的に新大久保でしか手に入らないものが未だ多いからだ。

あらさっぱりしてる。
私はずっと、なぜKカルチャーのファンがわざわざ新大久保に集うのか意味が良くわからなかった。東京にはもっと美味しい韓国料理屋が点在しているし、韓国のものを買うだけならリアルで行かなくてもいいんじゃない?と思っていたからだ。
今回の記事の「新大久保」は下記のあたりのいわゆるコリアンタウンを指しています。

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この辺。左上にはジャニーズが良く舞台をしている「東京グローブ座」があり、職安通りを挟んだ向こう側には夜の街新宿歌舞伎町が広がる。メインは新大久保の駅を出て大久保通りを右に曲がった大久保通り沿いの一帯、大久保通りから公演のわきを抜けてドンキホーテの横にでる通称「イケメン通り」のあたり。
(新大久保商店街のマップを見ると東は明治通りまでが範囲のようです http://www.shin-ookubo.or.jp/pdf/map001.pdf

入り乱れる韓国俳優・ミュージシャンの個人製造グッズ

新大久保に多くのKカルチャー民を惹きつける最初のグッズはこれだろう。韓国の芸能においては、画像の権利管理を事務所がわざと緩くしており、グッズを勝手に作って売るとか写真をプリントして売るなどの商売が長年黙認されてきた。ファンはその写真を使って公共広告を出稿するということは最近良く知られてきたことでもある。(近年は様々な手法で制限がかかっている)

このグッズ、写真のくっついた電卓とか、枠のずれたプリントシールとか、もうどうしようもないでしょ?みたいなものから綺麗なピントの生写真までいろんなものがある。また、韓国のありとあらゆるテレビ番組に最速で日本語字幕をつけてDVDで売っている。店の裏ではリアルタイムにDVDを焼いている。ちなみに先日某ショップでパク・ソジュンの写真を確認したところ、見たことないものが1種しかなかったので、あ、これを作っている人も私と似たような検索ワードで掘ったんだな、とちょっと感慨深かった。

日本国内でも大阪は違うかもしれないけれど、地方都市ではたまにポツンとこういうお店があったりなかったり、というくらいの状況なので多くのファンはこの辺りも求めて新大久保に集まる。(ということを最近知った)

韓国化粧品、路地1本で変わる値段

そして今もっとも熱いのは韓国化粧品で間違いないだろう。シートマスクの大流行に始まった化粧品輸入は爆発的に激戦区となっている。STYLE NANDA、3CE、innisfree、Etude Houseなど独自店舗を日本に構えた初期メンに加え、ドラッグストアコスメも世界的に流行しており、販売棚の争奪戦を繰り広げている。
新大久保では、これらの商品が正規輸入・平行輸入が入り乱れ、面白いことになっているのだ。例えば、日本のドラッグストアでも販売が始まったメディヒールのパックは、先日大久保通り沿いのcosmuraやskingardenなどでは10枚入り1パック2500円だったが、イケメン通りの少し奥まった小規模店では1500円、ドンキホーテでは2000円だった。通りを少し歩いただけで1000円違うなんて、あまり日本では見慣れない。品質は自分で見分けるしかないが、独自買い付けを行う商店ひしめき合う場でこういった掘り出し物を探し出せるのも新大久保の魅力なのだと思う。あっちの店はいくらだった、こっちはいくらだったなんて右往左往するのは海外旅行に来たみたいだ。

韓国の流行をいち早く体験できる韓国料理

サムギョプサル、チーズホットク、バブルティー、ヤンニョムチキン、マカロン・・・。いろんな韓国発信の食べ物をいち早く食べられるのも新大久保。しかも他の地域とは違って競合しているから選ぶ楽しみがある。韓国系商店の店員さんはシャッチョさんから末端の店員まで客引きがフレンドリーで話しやすい。細かいことはいわず、客もギャーギャー騒ぎながらご飯を食べている。

長年東京で暮らしてきて、歌舞伎町でちょこちょこ遊んだりしたことがある社会人としては正直、この街の中で問題を聞いたことがないと言うと嘘になる。過重労働や脱法販売、売買春。今はかなりきれいになったと思うけれど、それでもこれらの末端を時に見つけてしまうこともある。なぜ最新の韓国ものが手に入るのか、なぜ価格差があるのか、なぜ新大久保からラブホテルは消えないのか。手放しでは消費できないからこそ、の危うい楽しさが物理的体験となってそこにはあった。

なんかルポみたいな口調になってしまったけど、またドラマで見たチキン食べに行くんだ〜♪と思っているのでただのドラマにはまったオタクの観察日記だった。今の悩みはフルーツ焼酎を飲む機会がなかなか作れないのでなんとか飲めないか、と言うことです。



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