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立ち食い蕎麦屋のバイトから始まってその後インドネシアに住み昨年帰国したサラリーマンの話 その22

2022年9月1日 新たなスタート

今回で「立ち食い蕎麦屋のバイトから始まってその後インドネシアに住み昨年帰国したサラリーマンの話」は終わります。最後に生い立ちから現在の話を少し書こうと思います。

ワタシは東北の雪国で育ちました。大学受験に失敗し仙台の予備校で1年過ごし、その後東京の大学に合格し上京しました。せっかく合格した大学でしたが、理由があって中退です。

ワタシには生まれつき「本態性振戦」という持病があります。

【本態性振戦とは】
はっきりとした原因がないにもかかわらずに、身体が規則的に振戦(震えること) する病気のことです。振戦の症状が現れる病気の中では最も多いです。きまった姿勢をとったときや動作時に手を中心に振戦が起こります。

それが原因でいじめられた時期もありました。緊張すると一層症状は酷くなります。苦手な事は華奢なコーヒーカップを持つ、中身が並々のドリンクを持つ、グラスを持ってビールを注がれたりする事です。手が震えて中身をこぼす事が少なくありません。また食事の最中に手が震えだすと、箸・フォーク・スプーンが使えなくなります。一番苦手なのはスープをスプーンで飲む事です。人前では絶対に無理なので、そういう場面ではスープには手を付けません。一旦振戦が始まると、治める事は容易ではありません。

小学生頃からこんな状態だったので、将来を考えた時、人様の前での仕事なんて想像も出来ませんでした。さらに、1.ネクタイ嫌い、2.営業職は性格上無理、3.英語は自分の人生には関係ないもの、そう思っていたので、「3ない」の地道な職種が自分に向いていると思い、26歳の時に物流会社の倉庫勤務希望で今の会社に転職しました。作業着で人気(ひとけ)のない倉庫でフォークリフトに乗り、商品の入出庫や在庫を管理する仕事が夢でした。
 
ところが転職で入社した会社が同業他社と合併し、「3ない」とは全く異なる営業部門に「職種ガチャ」となり、ネクタイを締め、英語に携わる事になったのです。人生とは何が起きるかわからないものですね。社内で唯一の高卒だったワタシは、そのコンプレックスを努力の糧とし、人一倍働き(社畜ですね) 、精一杯やったという自負はあります。
40歳を過ぎてから想像もしなかった海外駐在、サラリーマン人生のほぼ三分の一をインドネシアで過ごしました。中国の主要都市、インド、タイ、ベトナム、シンガポールと、海外出張を何度も経験する貴重な体験が出来ました。拙いレベルですが、英語とインドネシア語でなんとか仕事をこなした自分を、褒めてあげようと思います。

19歳で上京し、立ち食い蕎麦屋のアルバイトから始め、2回の転職で今の会社に入社したのが26歳の時です。あっという間に32年が過ぎました。同年代の方ならご理解頂けると思いますが、振り返ってみたらあっという間ですね。え?もう自分こんな歳なの?って(笑)

健康だけは自信がありましたが、50代後半となり、メニエール病発症、コロナ感染、右手の血栓、心臓疾患、腹部大動脈瘤と立て続けに大病を患い、現在もメニエールは完治せず、右手にも後遺症が残りリハビリを続けている状況ですが、この現状は全て自分の運命と受け容れて、腐ることなく定年までしっかりと仕事に取組み、きちんと会社で役に立つ存在でいようと思います。いつか名刺が無くなったら、皆ただのおっさんですしね。

この歳までちゃんと夏休みを取った事も無く、有給休暇はまるで「悪」と、ひたすら不器用に働いて来ました。それでもインドネシア駐在中に、バリ島、ロンボク島、シンガポールに家族旅行に行けた事は、とてもラッキーな事だった、大切な思い出になったと思っています。考えたら10年超の海外駐在生活で、半分仕事(営業)とはいえど、おそらくゴルフは600ラウンド程度プレーしたでしょうし、素晴らしいサラリーマン生活を過ごせたのかも知れません。
今年は入社後初めて、9月末までに分割して5日間もの夏季休暇を取得します。

2022年9月1日、今日 娘が家を出て新たな人生のスタートを切りました。

単身赴任の長かったワタシは、22歳の彼女の7年間を知りません。もう少し一緒に生活して、失った時間を取り戻したいと思っていましたが、娘の新たな決断を尊重します。

ワタシも今日を新たな第二の人生のスタート日としようと思います。実はどうしても最終話を今日に間に合わせようと、ここ数週間必死に書き綴りました。

新たに迎え入れた相棒のアカニンさんと、健康最優先、安全第一で、ゆっくり走り、いろんな場所へ出かけ、バイクを停めて季節の花を愛で、時には落ち着いたカフェでゆっくりコーヒー飲んで、そんなバイクライフを楽しみたいと思います。

早朝ライディングは気持ち良いです

これだけの文章を綴ったのは初めてです。文章を書く事の難しさを痛感しました。最後まで拙い文章を読んで頂き、大変有難うございました。季節柄ご自愛下さい。

たくさんの❤ありがとうございました。