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スウェーデンとお茶のお話

お茶と日本語で言う際にはみなさんの頭の中では何茶が浮かびますか?
私は日本で暮らしていたことはほとんど毎日コンビニによって綾鷹を買って研究室に出向いていました(今思えば本当にもったいないけど)。なので、お茶と聞けば緑茶なのですが、ほうじ茶や麦茶もやはりお茶の総称の中に入ってくるかと思います。
面白いなと思うのは、お茶といえばそのような総称を指すはずなのに、なぜかお茶には紅茶が抜けているという点です。だって、お茶ちょうだいって言って、あんまり紅茶を出されたことってないですよね?それともどこかの家庭には「家にはいつもお茶を準備しています。え?もちろんアールグレイですよ。」なんてところもあるのかもしれない。ただ、そういうお家が多数派ではないだろうというのが私の推測です。紅茶はブラックティーを指し、それ以外はお茶と呼ばれてきたのでしょうが、私としては、今からお茶の話をするのだから、紅茶もお茶に含まれていると思って読んでいただきたいです。

 さて、ようやく本題になりますが、スウェーデンでもたくさんのお茶が飲まれています。ヨーロッパでお茶の国というと、やはりイギリスでしょう。感覚的なことですが、イギリスのお茶は日常生活に溶け込む、ある意味「普通を貫いた」お茶である気がします。対してスウェーデンのお茶は、圧倒的にお花や果物を入れたフルーティーなお茶の方が多く、人気です。理由は分かりませんが、スウェーデンではコーヒーが一般的に飲まれているのでお茶の場合には少々特別な味を求めているのではないかなあと私は考えています。

 スウェーデンのお茶は大好きだけど、やっぱり毎日飲む緑茶が恋しいなあと思っていたとき、ストックホルムのあるお茶屋さんに出会いました。といっても、連れが元々知っていて、なんとなく私とその道を通った際に案内してくれたんです。The Tea Centre of Stockholmというお店なのですが、とにかく香り高いお茶が盛りだくさん。日本の器なども置いていて、面白いなあと小さい店内であれやこれやと物色しながらお喋りしていました。すると店員さんが「なにかお探しですか」と流暢な日本語で話しかけてくれたと思いきや、日本の方でした。スウェーデンには多国籍な背景を持った人たちが本当に多いので、見た目だけでは何語が話せる人なのか皆目検討がつきません。話しかけてくださったので、日本語でのトークを連れの前で炸裂。本当に日本語を使う機会が少ないので、こういうサプライズは大歓迎でした。
 店員さんが人気だと勧めてくださったお茶は、やはりフルーティーで、かつベリーの入ったセーデルブランニング(söderblandning)です。これはこのお店が創業してすぐ1981年に作られたお茶で、その人気故に世界でもセーデルという名を冠して似たようなお茶が作られるほどだそう。美味しそうだなあと思いつつ、私と連れがどうしてもこっちを買いたい!と思って選んだのが、アールグレイスペシャルという名前の茶葉。シトラスの香りがふわあっと漂う爽やかなお茶で、茶葉の香りを嗅いだ時に二人ともの意見が一致しました。基本的に連れはケチなので、何かを買う時になるとかなり渋るのですが、今回は清々しく買ってくれました。ただ、私も心置きなく飲みたいので、後で割り勘にしてもらいました。
 また、店員さんによるとそのお店のオーナーが日本のお茶が好きだそうで、お店が静岡の茶園と提携して、玉露や新茶なんかも販売していました。玉露はかなり値が張ったので、飲みたかったけど今回は諦めて、かわりに新茶を購入。あっさりしていて水のようにいつでも飲める軽さがやっぱりいいですよね。新茶って。最近めっきり寒くなって、-2度の中ランニングする日々なので、美味しいお茶があるだけで一日の輝きが変わります(単純な)。もちろんビールやワインが毎日飲めたら最高ですが、まだ学生している身としてはそんなこともできないので、ほどほどにお茶で日常を彩っています。オンラインで注文もできるようなので、回し者ではないですが、ぜひ試してみてください。


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