科捜研の女 正月スペシャルと土地問題

けったいな題名をつけましたが、ただの思ったことです。
わーい!!通年やったー!!
木曜の夜というと大体死んでて見られないことが多く、元々好きだったのに…
しかし久しぶりに正月スペシャルで見られました。なんか沢口靖子さんさらに若くなってない?美人になってない?素晴らしいな!

最初から見てたんですけど、いや巽さんが怪しいとは思ってたんですよ。どう考えても最初の同行の時の道案内怪しすぎたし!
しかしフォロワーさんが爆破処理大好きおじさんの黒部さんではと言い始めて、あれーそうかなーと思い始めて堀部マジックにかかった(好きなんですよね…ほら…チームバチスタっていう……(遠い目))。

それはともかく、問題が起きた土地なら接収できるからという凄い論理のお役人さん仕事にもう頭が下がるというか、涙を禁じ得ないというか、大変共感しました…。
登記を見る仕事を、仕事のジャンルは変わりながらそれなりにやってるんですが、この気持ち大変よく分かります。IR誘致も含めた非常に時事的な問題を取り上げるのだなあと思いまして、ますますどもマリが好きになりそうです。

知ってる方には耳にタコで恐縮ですが、かなりざっくり前提を書きますと、日本の住所の表し方は二種類ありまして、我々が普段使うのは普通の「住所」です。しかし元々日本は土地の権利をベースに動いていたわけで、これを管理するために土地につけられた番号が「地番」です。ざっくりです。しかし、当初は地番=住む場所だったものの、日本の狭い土地は生き物でした。
たとえば、当初「1」という土地を相続して、兄弟で分割したら、「1」と「2」と「3」に分かれました。ところが次の代で、「1」「2」をもう一回くっつけて「1」を振りました。そうすると、番号の振り方として、突然2が消えて、「1」と「3」が現れます…などとやっているうちに訳が分からなくなったため、きちんと市区町村の中で一定の道路などで区分し、規則的に番号を振り、「建物」に番号を振り直したのが、住居表示実施された「住所」、ざっくり言えば、我々がよく知っている住所になります。

不動産の売買でもしない限り、基本この「地番」という謎の裏番号は意識することはまずありません。住所と違って、外部に表示もありません。
ところが「住所」は「建物」に振られ、土地の成り立ちや権利とは無関係です。
土地の権利状況は、あくまで「1」とか「3」とかで管理されている訳です。日本は、こうした「住所」と「地番」の二つの管理方法が併存している…悪く言えばぐちゃぐちゃになっています。

「住所」なら目に見えるものなので、あああそこの住所には誰々が住んでいるな、と分かりますが、「地番」はそうはいきません。
地番は土地の権利ですから、「どこそこに住んでいる誰のもの」という表し方になります。
それを記録するために「不動産登記簿」という法務局の帳簿がありますが、巽さんがぼやいていた通り、これは義務ではありません(「公信力がない」といいますが、苦し紛れの言い訳です)。
当然首都圏のような売買が激しいところだと、登記を信じた人が保護されるとか主張できるとか色々あって普通登記は更新しますが、巽さんがぼやいていた通り、山間部の誰も住まない、売らない、活用もできないような土地は、税金のことを考えて実質所有者不明にしておくという事情はよく理解できます。
あのおばさ…お姉さんの剣幕は凄かったですが、もっともなのです…。売買しようにもマイナスにしかなりません。

現状の日本の空き地空き家問題は、まさにこの状態です。登記をとってみても、一体この土地の持っている人は生きているのか、この人の住所はいつの住所か…というようなことはままあります。その人が亡くなっていれば、巽さんが家系図を開いていた通り、戸籍を辿り相続を辿り、そして相続人の住所を探し…ということになります。これを貴重な税金と人を使って行うのか、という話ですが、崩壊しそうな空き家を放置しておくわけにもいきません。しかし空き家とはいえ、他人の財産ですから勝手に壊す訳にもいきません…壊すにも誰がお金を出すのか…という根深い問題になるわけですね(分かり安く土地でなく家にしましたが家の問題も同じです)。

不動産登記の権利部分の登録も、さっさと義務化すりゃあいいのに(※相続登記は義務化され「そう」です将来は)と思うのですが、相続と密接に関わる部分なので、単純にえいやでできるものではない事情もあるのでしょう。
またおばさまが凄い剣幕だったとおり、日本の人口減により、「売れる場所」は極端に限られてきています。売れない場所は、マイナス資産にしかなりません。登記を精査、整理していった結果、土地の所有者が激減すれば税金収入の減にも繋がるでしょう。

とはいえ、まずは整理するとこからでないと、策も打てないように思いますので、やっぱり一度本腰を入れて最初からやり直すしかもうできないんじゃないかなあ…と巽さんの慟哭を聞きながら思った次第でした。

後輩君は、複雑怪奇な地番調査をしながら、もういっそ全部燃やしてしまって最初から番号振り直せば良いんだよと残業しながらぼやいていましたが、第二の巽さんにならないように見守っていく必要がありそうです。

#科捜研の女 #不動産登記

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