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WOMCADOLE 瀧昇 六本目 二〇一九 独奏力ッ怒逆襲編

 月曜日、WOMCADOLEのLIQUIDROOM ebisuワンマン「瀧昇 六本目 二〇一九 独奏力ッ怒逆襲編」に行ってきました。現在の4人で再スタートを切ってからの時間がすべて結実した、そしてこれからの課題などが見えたワンマンだったと思います。

 WOMCADOLEと初めて直接お仕事をする機会をいただいたのは『アオキハルヘ』のインタビューのタイミングでした。ちょうど2年前の夏ですね。記憶が正しければ4人は滋賀からRIJFに向かう道中で、東京に立ち寄ってインタビューを受けてくださいました。それがこの記事↓

 4人ともしっかりした考えを持っていて、ライブで真っ先に感じた「このバンドはボーカルだけではなく、それぞれに存在感がある」という印象は間違ってなかったなと確信しました。ステージ上では反骨精神丸出しでめちゃくちゃエッジーで化け物みたいなのに、実際に会ってみるとすごく礼儀正しくて優しくてチャーミング。質問一つひとつに真剣に向き合ってくださって、そういう人柄の良さも魅力的でした。

 マネージャーさんに「いつでもライブに来てくださいね」と言っていただき、社交辞令の通じないわたしは言葉のとおりライブをよく観に行くようになりました。観るたびにバンドのモードが変わっていくのが面白くて、彼らが東京に来たタイミングは出来る限り観に行くようになりました。

 この2年間はバンドの規模が大きくなってきたからこそ壁にぶつかることもあったと思います。「ライター」はだからこそ生まれた曲でしょう。そして先日のLIQUIDROOMワンマンは、それらを乗り越えて、自分たちの持っている強みを磨いて、より深くお客さんの気持ちを感じることができたから辿り着いたものだったと思います。

 ライブごとにじょじょに意味が変わってきた「アオキハルヘ」は、青き春とはこの空間のことだろうな、この曲が完成したなと思ったし、「ライター」も願いが現実になった喜びの曲になっていたと思います。終盤は新曲以外いつもどおりの定番の流れだったけれど、ちゃんと「その日にしかない意味」を作れるのは彼らの大きな強みです。

 曲やライブにも彼らの愛嬌や人の良さが見え隠れするシーンが増えてきたので、それも良かったなと思います。「後先なにも考えず暴れ狂え」ではなく、体調を気遣うところはすごく樋口さんらしいし、どんな人のことも否定しない。悔しさや怒りを感じる心もあるけれど、そういう優しさもしっかり持っているところがこのバンドのいいところなんだよなあ、と思ったりしました。

 のりちゃんは音色のバリエーションや繊細なタッチが増えて感情の色味をより詳細にしていたし、くろのんは相変わらず色気のあるフレージングで音像を艶やかにしていたし、ヤスダ氏はそれらを遠くまでかっ飛ばすようなパワフルで痛快なドラムを叩いていた。この4人でやってきたこと、それぞれの持ち味を現段階で最善の状態に磨き上げていました。

 去年のケツも拭いたことですし、ネクストフェーズ突入ですね。新曲もバリエーションに富んでいるし、より自由になった彼らの物語をたのしみにしておきたいなあと思います。ほんといいバンドなんですよ、WOMCADOLE。もっともっといろんな人に知ってもらいたいです。

最後までお読みいただきありがとうございます。