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「法然と極楽浄土」特別展_東京国立博物館(芸術鑑賞備忘録)

会期:2024年4月16日(火)~6月9日(日)
場所:東京国立博物館(上野)
主催:東京国立博物館、NHK、NHKプロモーション、読売新聞社

今年は、浄土宗が始まって(開宗というらしい)850年の記念すべき年。
宗教系の学校に通っていたこともあり、宗教の授業などで法然上人は身近だった。


■法然上人

法然上人(1133年~1212年)、平安末期から鎌倉時代に生きた人だった。
「光る君へ」で考えると、藤原道長(966年~1028年)の死後約100年後に岡山で生まれ、比叡山延暦寺で修行、鎌倉時代が始まる前、源頼朝と北条政子が一緒になったあたりの1175年に浄土宗を開いた。

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同年代はこちらの方々(参考:Wikipedia)
・北条時政(1138年 - 1215年)
 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の北条義時(1163年~1224年)、北条政子(1157年~1225年)の父
・後白河天皇(1127年 - 1192年) - 第77代天皇
・運慶(? - 1224年) - 仏師、代表作:東大寺南大門金剛力士像
 ※快慶(生没年不詳)とともに活躍

親世代
・平清盛(1118年 - 1181年)
・西行法師(1118年 - 1190年) 僧侶・歌人
・崇徳天皇(1119年 - 1164年)怨霊(伝説)になった人

大河ドラマのおかげで平安時代~鎌倉時代の解像度が上がっている。
「内乱や災害・疫病の頻発によって世は乱れ、人々は疲弊」という時代に仏にすがることで感じが想像できるようになった。

■展示について

法然上人その人にまつわる宝物だけでなく、浄土宗に関する文化財の数々がこれでもかというほど展示されていてかなり見ごたえがあった。
(3時間くらい見ていた)

なかでも、法然上人の自筆には感動した。

文字を見ると生身の人間としての温度みたいなものが伝わってきた。
年表や文献から飛び出して立体になった感じと言えばいいか。
ただ、今の時代にいらしたら怖すぎて近づけないなという感じがした。

浄土宗の黎明期ということで、主要な登場人物がすべて男性で、男性社会だな…という印象。なんというか、お坊さんがいっぱい。
鑑賞者も、たぶんお坊さんだろうという人がいっぱい。

そんな中で、江戸時代、豊臣秀頼の妻であった千姫の孫娘(本多忠平室、奈阿姫)が祖母(千姫)の菩提を弔うために書き写した「浄土三部経(紺紙金泥阿弥陀経)」が達筆すぎて目を見張った。紺色の薄紙に金色で書かれた大変美しい文字で、心を込めて丁寧に一文字一文字書かれている様子が伝わってきた。
この時代、高い地位にあった女性たちはどういう教育を受けていたのだろう、どういった日々を送っていたのだろうと想像が膨らんだ。

阿弥陀如来立像など美しい仏像を数多く見ることができ、贅沢な空間だったけれど、やはり実在の人物の像はリアルで怖い。
「仏像」ということになると人を超越した仏像としての様式で表現されていて見ていて安心できる。
高僧の彫刻は、リアルすぎてもう絶対夜歩いてそうだし、何なら今も魂が入ってるんではないかという感想しか出なかった。
なんか、本当にずっとお小言言われそうな感じとか、部署に絶対一人はいる、あり得ないほどきつい上司とかに似ていて…もう、やだ。

仏師の皆さん、本当はすごくリアルに作れるけれど、仏像という文脈を誠実に守って人を超えた存在として作っていたのではないかという気がした。

■ミュージアムグッズ

なぜだろう。ほしい仏像や展示物のポストカードはない。
売り切れというわけでもなさそうで、図録購入か…と思ったけれど3000円ということで断念。300頁超なので絶対にお得だけれど我慢。
グッズはかなり魅力的だった。ほしいものがたくさん。

極楽グッズ、銭湯タオル購入。すき。
極楽グッズ、風呂おけは気になったけれど我慢
ありがたい感じのクッション




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