「おつかれ、今日の私。」ジェーン・スー著(読書備忘録)
「おつかれ、今日の私。」
ジェーン・スー 著
2022年 マガジンハウス
ジェーン・スーさん。
パワフルで、押しの強いタイプが苦手で書籍もラジオも避けてました。
ペンネームがいかにも陽キャ、スクールカースト上位という感じで私と真逆の世界に生きる人だと思っていたから。
が!NHKの番組出演で初めてお話しされているのを見て(聞いて)、あれ??ちょっと気になるぞと思い始めたところ、書店で偶然この本に出合った。
仕事に疲れ果てて、もう何もしたくないし考えたくない、ぼろ雑巾の気持ちだと思っていたところだった。
家に帰って貪るように読んだ。
ただ読むだけではもったいなくて、線を引いて付箋を貼っていたら線だらけ、付箋だらけになった。
一番刺さったのは「思い出し怒り」。15年以上前の出来事がようやく整理されて様々な経験を経たことでその悔しさを理解する、そうしてそれを昨日のような出来事として心を支配されどうしようもなく苦しくなるこの一連の感情。
これまで人に話しても理解が得られなかったこの感情、想いを共有する人がいてくれたと心の底からうれしかった。
このほかにもモヤモヤ、悲しさを言語化してくれたことで「私だけじゃない」と思えたこと、私とは真逆の華やかな世界にいると思っていた人にも共通する過去の感情とか現在のくやしさがあることを知ることができた。
共感を示すというのは本当に難しく、「お前に共感などされたくない」と反発を招かれかねない。同性だったら特に。
年を重ねるごとにプライベートな話題はセンシティブになってくる気がする。同性同年代というだけで「同じ人間」と思うのはとても危険だ。
だからこそ、このエッセイが私に共感させてくれるのがとてもうれしかった。
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