「使える儒教」安田登著(読書備忘録)

「NHK出版 学びのきほん 使える儒教」
安田登 著
2023年 NHK出版

儒教に「使える」かどうかなんて少し不遜すぎやしませんか?という思いで手に取った…が、かなり面白かった。

儒教とはどういうものか、始祖を持つ宗教とどう違うのかなど入口の入口から丁寧に分かりやすく書かれている。

特に、孔子という人が、貧しい家の出身で少し馬鹿にされやすい人であったけれども孔子自身がそういうことも良しとしていたというエピソードに引き込まれた。

また、孔子の教えを知ることで自分たちがより生きやすいように、「心のプログラミング」を見直そうというアプローチも面白かった。

「過てば則ち改むるに憚ること勿かれ。」(『論語』金谷治訳注 岩波文庫)
ここでいう「過ち」を感じの成り立ちから考え、「間違い」や「悪いこと」ではないのではなく、何かが過剰になっていることでうまくいっていないのではないか。それに気づいたらすぐに「過剰」を修正すればよいということがあった。

本著では、よく知られた教えをいくつか取り上げ、原文で使われる漢字の意味から教えの真意を読み解いている。
いつも見ている漢字の成り立ちから熟語を見るとまた違った視点が現れ視界が開かれるようだった。

この本はあくまでも入り口。
ここから儒教の世界が広がる思うと楽しみになってきた。

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