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「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」(ドラマ鑑賞備忘録)

2020年9月に発売された岸田奈美さん初エッセイ集「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」(小学館)を原作とした令和のホームドラマ。

家でNHK・BSが見れなくて地上波放送をじっと待ち続けてはや1年。
ついに!!始まりました。

原作のスピード感あふれる面白泣き笑いをどのように連続ドラマにされるのかずっと気になっていて、特にちょっとオタクっぽい一軍女子にはなれない主人公がどう描かれるのか期待している。

これまでのオタク女子ドラマと言えば、主人公なら「個性的すぎて別次元」とか、「いじめ被害者」、「真面目ちゃんキャラ」、「実はすごくかわいいのに」とか…オタク要素がキャラクターの味付けのように描かれていて、ひそかに「ないよ、そんなの。」と思っていた。
一軍から見たら二軍には人権なんてないし、存在はよくてモブキャラ、なんなら一軍の暇つぶしネタにしかされない存在で、二軍女子発の心の動きなんて無効化されていたという、遠い昔、二軍にも属せなかったOLD・JKは地団太を踏んでいた。

未だにあの頃を拗らせまくっている私だけれど、主人公七実の体幹がしっかりしていない動きとか、次々と話題が飛んでしまう感じ、程よく腹黒いところ、家族にやさしいけれどちょっと辛辣な物言いをするところに心わしづかみにされた。
細かくいろんなところがリアル。

・小物が多くて雑然とした七実の家
・七実の目の下のクマ(夜型でずっとネットとか漫画読んだりしてそう)
・おしゃれにそこまで頓着してなさそう
・洗濯物に目もくれず、制服のまま漫画を読みふける様子
・行動が衝動的なところ

しゃべりすぎて周りがちょっと困ってしまう様子とか、そんな七実が学校でどんな立場なのかがわかっている母のひとみの少し思いつめた表情のフォローとか。
ひとみの、頑張りすぎていて、周りとの軋轢を好まない人特有のあいまいな笑顔。
弟のマイペースな笑顔、親友のマルチのうざ絡み、やたらとかっこいい父親、おばあちゃんの天真爛漫さ。

ドラマだけど、本当の家族みたい。

第2回も楽しみだ。

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