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現実とイヤホンから聞こえる音楽がはまる瞬間(備忘録)

ぼんやりと音楽を聴いていたら、突然目の前の風景が映画のシーンのようにぴったり一つの世界にはまる瞬間ってないですか?

スピッツの「渚」
梅雨に入る前のちょっと蒸し暑い夕暮れ時、誰もが家路に急ぎ足、その波に逆らうように坂を下りていく風景にぴたりとはまった。
ちょっと現実ではないような、自分がこの世界にはいないような、映画を見ている気分になった。
私のスピッツ音楽は「インディゴ地平線」で止まっていたのだけど、最近あらためて聴いて、その歌詞のすばらしさに感動している。
切ない夕暮れの感じが本当にすばらしくはまった。

先日、国立西洋美術館に行った時もスピッツを聴いていた。
いつもは音楽は止めるのだけど、違和感なく自然すぎて止めるのを忘れていた。
家族を描いた作品を見ていたときの「スターゲイザー」は最高だった。
ここに描かれている人も描いた人も、その絵の最初の持ち主も今はもういなくて、何人もの手を経て東の果ての国までやってきたのだと思うと胸に来るものがあった。
「スターゲイザー」につづいて「楓」。
戻れない日々、遠くを想う曲が本当に素敵で絵画に描かれた世界がすごく身近で、彼らの生活みたいなものが感じられた。

音楽を止め忘れたなかでの偶然の出会いだった。

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