守りたいものを守る覚悟「虎に翼」第83話(ドラマ鑑賞備忘録)

ああ、今日もまた喪失の話だ。
戦争によって亡くしたものの大きさや重さは人それぞれ、向き合い方も人それぞれだ。

戦争とは関わりなく、いつも「家」を優先し、自分の夢を諦めた涼子様。
選択肢がない中で「自分で決めた」ことは本当の意味での自己決定と言えるのか。
そして、戦争によって多くの人を亡くし、終戦によって身分と財産を亡くした。
ただ、たまちゃんとふたり新潟にたどり着いた涼子様の表情はすがすがしかった。
たまちゃんは「お嬢様を自由にして差し上げたい」と願っているけれど、親が選んだ夫と離婚し、たまちゃんと生きることを選んだことこそ涼子様の初めての自分自身のための決断、自由だったのではという気がする。

(私の勘違いでなければ)その気持ち、たまちゃんに届いてほしい。

家に縛られていた涼子様、涼子様を縛っていると自分を責めるたまちゃん。
そして、次は別の縛り。

人を支配しようと赤い腕飾りで縛り付ける女子高生の美佐江。
真夏の怪談?清らかに見えた笑顔が今はただただ怖い。

「あなたは私の特別」と言う「呪」。
「赤い」腕飾り。
彼女の本心は何がひそんでいるんだろう。

戦後直後の貧しさから発生した少年犯罪とは全く別の問題が寅子の前に立ちはだかる。
涼子様が昔の自分を重ねて話された「孤独やいらだち誰も自分を理解しない。そんなお顔」の子供たち。
彼らに向き合うとき、涼子様がきっと素敵なアシストをされるのではないかと期待せずにはいられない。

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