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おにぎりとみそ汁

新宿、映画が始まるまで40分。
小腹が空いたけれど、フリースペースがないからコンビニ軽食は無理そう。

全てのスペースは経済活動用にとってかわられ、「ぼんやり」とか「なにもしない」ことが許されない感じ。
ぼんやり座る場所がないってちょっと息苦しい。

軽く財布を痛めない程度に食べたいときに見かけたおにぎり専門店がよかった。人気過ぎてちょっと待ったけれど、視界の端に入るおにぎりを食べる人の顔が、満足気で幸せそうでいい。

Tatooゴリゴリの人、長い金髪で布面積が少なめの人、仕事終わりかと思われる作業着の人、旅行中の人…
どんなひともおにぎりを食べる時、みんなちょっと小学生に戻った顔になる。いいなぁ。

おにぎりはかなり大きくて1つで十分だった(1つ380円~)。すすめられるままお味噌汁(200円お代わりOK)も頼む。
冷たくて濃い目の緑茶はサービス。
全部おいしい。
お米の甘さと鮭の塩気、みそ汁の温かさ、ちょっと苦めの緑茶。
甘い、しょっぱい、苦い、温かいが体に入ると、結構幸せ。

死ぬ前に食べたい食事は?と聞かれたら迷いなくおにぎりって答える。
で、おにぎりを食べ終わったら死にたくなくなりそう。
世界の終わりでも、おにぎりを食べたらなんか元気になって世界を救うために立ち上がれそう。

おにぎり、「千と千尋の神隠し」でも千尋が泣きながら食べていたけど、人の心を良い感じに緩めてくれる。
「火垂るの墓」の節子たちに食べさせてあげたい。
そういえば、「虎に翼」でもおにぎりで人の心をつないでいたなぁ。

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