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b_mary
「もうあかんわ日記」岸田奈美著(読書備忘録)
「もうあかんわ日記」
岸田奈美 著
2021年 ライツ社
わたしの「もうあかんわ」な怒涛の日々が落ち着き、落ち着くとモヤモヤ、そわそわしてしまい久々にぱらぱらと読み返す。
2021年第一版なので、オリンピック開催前、まだまだコロナの影響が色濃い日々のエッセイだ。
そういえばオリンピック、東京であったんだなぁ(開会式、怖いもの見たさで見たけどやっぱり怖かったなぁ)とか、各地で厳戒態勢の聖火リレーやコロナ対策(マスクつけるつけないでピリピリしていたな)、病院での面会制限…少し前のことなのにすっかり忘れている日々があの頃の空気と一緒によみがえってきた。
Noteに投稿された記事をまとめたものなので「あの頃」が岸田さんのもうあかんわの日々とともに瞬間冷凍保存されている。
岸田さんほどの大変な出来事には遭遇しなかったけれども、私自身も何もないようで色々乗り越えるものはあったなぁとしみじみした。
エッセイには動物病院での出来事や宅配便、鳩との攻防、細かい描写と心の声がドキュメンタリーのように映像として飛び出してくる。
生きている以上、もうあかんわを乗り越えても次のもうあかんわがやってくる。じたばたしてそれでも日々は過ぎていく。
悲劇を喜劇に…とまではないけれども、泣き笑い一緒に前に進んでいける気力をもらえた。
もうあかん、のその先に誰かとの温かい記憶が作りたくなるそんなドキュメンタリーエッセイだった。
(追加:ページがすべて薄黄色で目にも優しく文字が見やすかった)
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