「よみぐすり」坂口恭平著(読書備忘録)

書名:よみぐすり
著者:坂口恭平
出版年:2022年
出版社:東京書籍

ネットで買って、忙しさにかまけて積読になっていたこちらの本。
開くと、「字、でかっ!」「文字、少な!」となった。
でも、心が疲れているとき、これがかなりありがたかった。
文字が読めないくらい疲れていたから、読める文章があることがうれしかった。

少ない文字の理由は、坂口さんのTwitter(X)の言葉を抜き出し、再構成したものだからということだった。
どこから読んでもOK。
なんなら、モヤモヤしたときに適当なページを開くと、その言葉がじんわりと背中を押してくれたりする。

人生のすべての解決法=手を動かすw

p.11

一番好き。
そして、一番納得した。
不安になったとき、悩んだ時、ずっと考えこんで頭の中だけが忙しくなって袋小路に入っている。
自分で自分を追い詰めている。
あ、これはもう駄目なやつだ、これ以上はだめだと思ったとき、この文に出会って試しに手を動かしてみた。

具体的には、スケッチをした。
あきたら色鉛筆で塗った。
編み物をした。
刺し子をした。
台所で千切りをした。
一心不乱にお風呂掃除をした。

すると、手を動かしているときは、嫌なことは思い出すけれど、ちょっと分散される感じがした。

なので、自己否定、入りそうだな…と言うときは、とりあえず紙を出して鉛筆を持つ。
色鉛筆で色を塗っているときはさらに無心になれるので、やたらと色を塗っている。
全然使ってなかった色鉛筆やらなんやらがようやく日の目を見た。

よみぐすり、私の薬になった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?