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「無礼な人にNOと言う44のレッスン」チョン・ムンジョン著(読書備忘録)

韓国の作家さんの詩やエッセイが好きでよく読む。
ここ数年特に翻訳が増えてとてもうれしい。

今日、本棚の整理をしていたらあり得ないほど付箋を貼った本が出てきた。
それがこの本。

書名:「無礼な人にNOと言う44のレッスン」
著者:チョン・ムンジョン
出版年:2019年
出版社:白水社

国は違えど、同じような歯がゆさや苦しさ、やるせなさを持っていること、それに共感できることがうれしい。
そもそものタイトルがかなり好き。
私は、「ああ、あの人にひどいこと言われた…私が何かしたのかな」とかうじうじ悩むタイプなのだけど、一言、「無礼な人」と言い切っているのが痛快。
被害者意識をこじらせないためのレッスンともいえる。

韓国で活躍されている様々なジャンルの人の言葉も引用されていてとても面白い。

「心の領域に踏み込んでくる人の対処法」の章は身につまされた。
心理学用語では、「パーソナルスペース」と呼ばれるこの空間、日本は1.01メートルなのだそう(アメリカは89センチほど)。
この領域にずかずか入ってくる人(や質問)をどのようにかわすか、または受けるかという話。
私は、自分自身のパーソナルスペースはかなり大きめで人を寄せ付けないようにしているのだけど、一方で自分から話すときにこのスペースを見誤る。

同じ質問でも、誰がどんなニュアンスで発するかによって、返す答えは変わる。‥‥(中略)‥‥自分のパーソナルスペースを守りながら、できる限り後味が話少なるのを避けつつ対話を終わらせなければならない。

p.92「心の領域に踏み込んでくる人の対処法」

読者はこの対処法の方を読むべきなのだろうけど、これ、本当に忘れがちなので(私の場合)しっかり心にとめておきたい。
子どものころから本当に空気も読めないし間合いも読めなくて、「あの子はいいのになぜ私はだめなの?」「なぜ私だけ怒られるの?」と言うことがもう泣きたくなるくらい多かった。
相手との関係性が確立していないから私は拒否されていたのだ、と言うことを肝に銘じたい。
それが平等性を重んじるはずの教師からの理不尽であってもだ。

この本、無礼な人から自分をどう守るかという話なのだけど、逆に「私自身が無礼な人になっていないか。冷たくされたと感じた時、きっと私は相手にとって無礼なふるまいをしていたのだろう」というちょっと心が痛い振り返りの時間にもなった。

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