見出し画像

梟 フクロウ(映画鑑賞備忘録)

2022年 韓国
監督:アン・テジン
主演:リュ・ジョンヨル
梟 フクロウ : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)

これは映画館でこそ見る映画、大画面で暗闇で見るからこそ臨場感が増して没入感がすごかった。

【ストーリー】
盲目の天才鍼医ギョンスは、病の弟を救うため、誰にも言えない秘密を抱えながら宮廷で働いている。しかし、ある夜、王の子の死を“目撃”し、恐ろしくも悍ましい真実に直面する。見えない男は、常闇に何を見たのか?
追われる身となったギョンスは、制御不能な狂気が迫る中、昼夜に隠された謎を暴くために闇夜を駆けるー。

2/9(金)公開 映画『梟ーフクロウー』公式サイト (fukurou-movie.com)

光で隠された真実が暗闇で浮き上がるというストーリー通り、光と闇、音の使い方が素晴らしかった。映画館の仕様なのか、背景音が後ろや横から聞こえてまるでそこにいるような感覚になった。

盲目の鍼医ギョンスの「生きるために目そらし、見なかったことにしてきた。」という言葉は、見える/見えないに関わらずすべての人に突き刺さるのではないか。
恐ろしい真実を前に、「目が見える」人々が全員見なかったことにしたとき、彼だけは「見た」と叫ぶ。目をそらしていたギョンスが、「見なかったこと」にできなくなり、見たことを告白する場面は息をのんだ。

下を向いていた彼が上を向き、見えないはずの目を見開く姿はとても象徴的だった。

「目をそらさない」こと、「見る」とはどういうことなのか。

史実を元に作られているとはいえ、正義が勝ち全員幸せに暮らしました…という安易なエンディングを用意していないところもとても良かった。

https://eiga.com/movie/100650/photo/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?