8月後半脱落「虎に翼」(ドラマ鑑賞備忘録)

とうとう脱落してしまった。
結局は人は一人では生きていけないし、それは重々承知の上なのだけど、登場人物にはそれぞれ生きる場があることに居心地の悪さを覚え、なんとなく8月後半は遠ざかってしまった。

寅子は一度心折れ、司法の世界から遠ざかっていた。
それでも、人と関わることには絶望していなかった。
心閉ざしても、それを見守ってくれる人がいた。
手を伸ばせば握り返してくれる誰かがいつもそばにいた。

そういう人って本当に強い。
手を伸ばしさえすれば握り返してくれる(それが今すぐではなくても)という人間に対する絶対的な信頼がある。
嵐の目にもなるけれど、太陽みたいな人だ。

それが眩しく、うらやましく、でも共感できないことが多くなってついに脱落。脚本がどうとかいうよりも、私の受け取り方の問題だけど。

手を伸ばしてそれをことごとく振り払われる経験ってないんだろうな。
次に手を伸ばして、心開いたとして、振り払われるのはもう耐えられない。
だからもう手は伸ばさないし心も開かない。
…そういう絶望って寅子にはないんだろうな。

登場人物全員が何かしらの傷を抱えて生きている。
でも、それでもいつも誰かが気にかけてくれている。
なんて幸運な人なんだろう。

視聴者として俯瞰で物語を見ているから「誰か」の存在に気づけているだけなのかもしれない。

誰もが気づいていないだけで気にかけてくれている人がいるんだろう。
自分が望んだ形ではないかもしれないけれど。

誰かと心通わせたら次は彼の家族とつながって、自分の家族を彼につなげて、家族同士をつながって‥‥
集団と対峙するのが難しい人にとっては難問過ぎる展開だ。

途方に暮れてしまった。

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