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私ときどきレッサーパンダ(映画鑑賞備忘録)

2022年 アメリカ
原題:Turning Red
監督:ドミー・シー
私ときどきレッサーパンダ : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)

≪ストーリー≫
カナダに住む13歳の少女メイリン。
実家は寺院で伝統と規律を重んじ、厳しく過保護な母親の期待に応えようと日々頑張っている。アイドルが好きで恋にあこがれ、友達とはしゃぎたいけれど、母親の目を気にして自分の意見を飲み込む日々。
飲み込み続けた思いも、ある日、母親の勘違いで学校の仲間の前で恥をかいたことで爆発してしまう。
飲み込み切れない思いがレッサーパンダに変身という形で現れた。
レッサーパンダに変身してしまうメイリンの奮闘が始まる。

saya

ようやく劇場の大スクリーンで見ることができた。
思春期女子の自分の心を飼いならせない感じや、母親の目を気にしてしまう様子、母親の行動を恥ずかしく思うあのいたたまれなさ、すべてが刺さりまくった。

生理とか言うな!人前(家族でも)で話題を出すな!という腹立たしさ、
異性に興味を持ってしまう自分を恥ずかしく思ってしまうこと、
自分だけのノートを親に見られてしまう悲しみとか…
突然熱が出たようにのめりこむ様子、のめりこんだら走り出してしまう感じとか。

誰もが通り過ぎたあの頃がぎゅっとつまった物語だ。
思春期真っただ中にいる人には気恥ずかしいかもしれないけれど、「こういう気持ち」は変なことじゃないと勇気と希望と共感をもらえるはず…きっと。
メイリンとその母親の物語だけではなく、母親とその母の物語でもあった。母から娘に受け継がれる「母親にしてもらえなかったことを娘にはしたい」とか、「母親のようにはなるまい」という連綿と続く呪い。
メイリンはその呪いを断ち切ることができるのか?
自分の望みを自分自身が知り、認め、表現することができるか?
「私」を獲得することができるのか?
最後までハラハラした。

こんなに素晴らしい作品を作ってくれて感謝しかない。
これがアカデミー賞にまでノミネートされたのになぜ劇場公開がなかったのか、本当に不思議。
そして、グッズ展開のわびしさよ…。
あのレッサーパンダ、思わず触ってみたくなるくらいのリアルな毛並みと愛嬌のある顔なのになぜ力を入れて作ってくれないのか。
メイリンたちが学校で違法に稼いでいたバッジや写真をポストカードにするだけでもかなり可愛いグッズになるのに。。なぜ。


(C)2022 Disney/Pixar. All Rights Reserved. https://eiga.com/movie/96090/gallery/3/

この困惑しているメイリンなんて最高にかわいくないか。
アクリルスタンドでもいいから作ってほしい。
あと、おばさんたちがレッサーパンダの魂を封印していた簪とか、指輪とか。寺院で販売しているお守りとか。

本当に本当に本気で何とかしてほしい。

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