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「天気がよければ会いにゆきます」その2(ドラマ鑑賞備忘録)

韓国ドラマ、「天気がよければ会いにゆきます」現在3周目視聴中。
見れば見るほど、ストーリー、登場人物それぞれの個性、映像、音楽のすばらしさに引き込まれる。

1周目は、主人公へウォンと幼馴染で村のはずれでグッドナイト書房を営むウンソㇷ゚の恋の話として見ていた。
彼らの過去や現在の人間関係、悩み等、キャラクターの説明として見ていた。
…私のバカ。
全然そんな浅く安易なものでもない!!

例えば、グッドナイト書房では定期的に読書会が開かれている。
そこに集まるのは、読書が好きで心根の優しい住人たち。
彼らをじっくり見ていると、少し異なる性質や性格を持った人が多いことがわかる。

多動気味で話し出したら止まらないソウル大出身の市職員。
手芸が好きなシングルマザー(たぶん)。
2人暮らしの耳が聞こえない老人とその小学生の孫。
電気が好きすぎる電気屋さん。一人で話し過ぎる。
パワーがありすぎて暴走気味、友だちがおらず一人ぼっちだというウンソㇷ゚の年の離れた妹フィ。
その妹の友人で薬局の娘(彼女らは互いを友人ではないと言い張る)。

彼らは地域からはじかれているわけではない。
地域に溶け込んでいるけれど、少し違う空気をまとっている。
「違う」が突出している彼らが定期的に集まって自分の好きな本の一説を読み合う時間が穏やかで豊かでかけがえのないものだとわかる。

市職員の彼とウンソㇷ゚の妹はきっと特性が強くあって、市職員は成績が良く見目麗しいことでその特性は「天才由来」だと周りから認識されていたようだ。
一方、ウンソㇷ゚の妹で現役女子高生は、思ったことをすべて口に出してしまう。すぐに行動に出てしまう。空気が読めない。かわいらしいけれど成績はいまいち…。女子グループにはなかなか入るのは難しいのだと思われる。
天真爛漫さは時に疎まれる。
「私、なんで周りから嫌われてるんだろう?」と明るくへウォンに問いかける様子に見ているこちらの胸が痛んだ。彼女自身そのことで傷ついているわけではなさそうだけど。

読書会メンバーはそれぞれ日常生活を営みながらも、多数の人とは違う、薄い膜が張り付いているような、少しの寂しさがいつも背中にあるような人達だ。読書会で静かでやさしい時間を共有しても、その人と違う寂しさはずっと持ち続けるんだろうと思う。

多くを語りすぎる市職員とウンソㇷ゚の妹フィがトリックスターのようにもお語りをかき回しつつ、陽の側面を担ってくれているのが救い。

他にも、素敵なところがありすぎて語りつくせない。
家庭内暴力シーンがあるのでゴールデンタイムは難しいかもしれないけれど、NHK11時からの海外ドラマ枠で放送してくれないかな…
人間の生き方は一通りではないということをしっかりと示してくれるし、過ちから立ち上がる姿も見せてくれるし、特性がある人の存在にも花丸をくれるしかなり、かなり素晴らしい作品だと、思います!!



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