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アメリ(映画鑑賞備忘録)

2001年 フランス映画 
監督:ジャン=ピエール・ジュネ
アメリ - Wikipedia

当時、世界観に引き込まれ、映像編集のすばらしさ、フランスへのあこがれが爆発した。バイト代をはたいて特別版DVDボックスとか本とか買って、何度も繰り返し見た。

それからの約20年ぶりの映画館上映。
うれしいうれしいうれしい。

久々に見た「アメリ」は全然色あせていなかった。
電話ボックスや証明写真ボックス、街角のコピー機、VHS、ブラウン管のテレビ。
今は使われなくなっているものも多いけれど、アンティークな感じで素敵にまとまって見えた。

ストーリーを乱暴にまとめると、「風変わりで一人ぼっちの女性が色んな人との関わりを通して自分や他人と向き合う成長ストーリー」といったところ。
よくあるストーリーに聞こえるのにこんなに素敵なのは、
・主人公や主要キャストのキャラクター(「好きなこと」「嫌いなこと」が自己紹介のように出てきて、それがくどくない)
・誰もが子供時代の苦い経験を持っていて、寂しさを抱えている
・ふとしたセリフに惹きつけられる(誰もが心をいやす方法を持っている、とか)
・街の空気を感じられる(ストーリーには関係ないが、すごく風の強い日ななど。)
・ナレーションが骨太。歴史ドキュメンタリーにありそうな男性の太い重厚な語り口でダイアナ妃の事故というニュースとそれにちなんだ小さなエピソードがいくつも出てくるのドキュメンタリーを見ている気分になる。

今もやっぱり大好きな映画の一つだけど、今回は、一人の女性と彼女に関わる人間と社会の実況中継の再放送を見たような気がした。

(当時、移民大国のフランスでアフリカ系の出演者がほぼいないことに疑問を呈する論評もあったが、なぜだったんだろうと今も疑問。駅のホームを歩く若者グループや証明写真には搭乗していたが…)

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