妊娠してから10年経った。
ちょうど10年前、私は第一子を妊娠した。
なじみのない地域に配属され、孤独と戦いながらやっと4年。少しずつ手応えをつかみ始め、周囲からそれなりの評価も得始めていたころだった。
ところが、妊娠したその日を境に、見える景色は一変した。駆け出しの記者が妊娠、出産して、キャリアを積む道は、その時はまだ存在していなかったのだ。一夜にして、あっという間に戦力外の人として扱われるようになった。
子持ちの女性記者が生き残る道は、当時は1つしかなかった。ある程度キャリアを重ね、自分の地位