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ブッタは幸福をどう定義したか

今日はブッタが幸福をどう定義したかについて書きたいと思う。
キリスト教の聖書と違って、仏教には「この一冊を読んで握りしめて頼りにすればいい」みたいな成典がないと思っているのだけれど(それがまた東洋思想っぽくて好きなのだけれど)あえていうならば、「ブッタのことば」「真理のことば、感興のことば」(中村元訳)がそれに当たると思っている。その中で短いけれど釈尊の幸福論をまとめている部分があるのでその部分を引用し、自分なりの解釈をまとめてみたい。
(参考:「ブッタのことば」第2章4節ことなき幸せ)

昔も今も幸福になるための方法は変わらない?
この言葉は、ブッタが活躍していた頃なので2500年くらい前(紀元前500年程度)なのだけれど、今を生きる私たちにもとても参考になる。逆に言えば、人間って2500年くらいあまり変わってこなかったってこと。まぁ人間(ホモ族)誕生から200万年経っていると考えると、当たり前と言えば当たり前か。

聖人になれと言っていない、今の社会で生きる知恵
よく宗教だと奇跡が起こり、聖人が登場し、ファンタジーみたい、というイメージがあるが、ブッタの定義する幸福はすごく現実的。親や妻や子供を捨てて山に篭れとも言わないし、身体を痛めつけ精神の高みを目指せとも言わない。よくないもの(愚者、欲、飲酒など)を遠ざけ、良いもの(賢者、教え、利他行)を近づけ、精進していくこと(勉学、行い)、そして誓願を立てて(自分のミッションを見つけ、創って)歩むこと。そうだよねーーー、と思う箇所が多い。

もっと実践的な、具体的な形に落としたい
これは個人それぞれで違って良いのだと思うのだけれど、この抽象的な幸福論を個人の行動に落とせると良いんだろうなーと思う。

私でいうとこんな感じかな
・自分が良いなと思った人には近づいていく努力を、やだなと思った人とは離れていく努力をしていくこと
・セカンドハウスに住もう(都会から離れたところに住む習慣をつけたい)
・常に感じとり、不思議がり、勉強していくこと
・身近な人を大事にしよう、気持ちの気配りと、行動と
・苦境にいる人にできることを(お金と行動で)
・ストレッチと東洋思想読書から朝を始めよう
・誓願を近い将来立てられるように(自分の道を言葉で語れるように言語化できるようになること)

259 愚者に親しまないで、諸々の賢者に親しみ、尊敬すべき人々を尊敬すること
(人間の理に気づかない人が愚者であり、理を知って体得している人を賢者という。知識に貧しく計算や才覚が下手でも、心の安住している人は賢者なのである)
260 適当な場所に住み、あらかじめ功徳を積んでいて、自らは正しい誓願を起していること
(古代インドでは修行僧は、市街から遠からず近からざるところに住むべきものとされていた。自らは誓願を起こしていること、これこそが人生の喜びと確信を与えるものである)
261 深い学識があり、技術を身につけ、身を慎むことをよく学び、言葉が見事であること
(ことばが見事であることとは、相手を恐れないで、思っていることが自由に口をついて出てくること)
262 父母に仕えること、妻子を愛し護ること、仕事に秩序あり混乱せぬこと
(家庭の幸福とは、最も身近な幸福である。それはふって湧いてくる幸福ではなくて、育て育むことによって現れてくるものである)
263 施与と、理法にかなった行いと、親族を愛し護ることと、非難を受けない行為
(施与とは贈与と言い換えても良い。他の人に何ものかを与えることによって、人々を助けることができる。自分のものだと言って握りしめるのではなく、他人に何かを与えるところに人生の深い喜びがあるのではないだろうか)
264 悪をやめ、悪を離れ、飲酒をつつしみ、徳行をゆるがせにしないこと
265 尊敬と謙遜と満足と感謝と(適当な)時に教えを聞くこと
(満足と誓願とは裏表の関係にある。人は大きな志を立てると、くだらぬことで不満を訴えることは無くなってしまう。感謝とは、「他人から為されたことを感じ知る」ことで、漢訳では「知恩」とも訳される。お互いに精神的な喜びを与え合うものである。)
266 耐え忍ぶこと、言葉のやさしいこと、諸々の<道の人>に会うこと、適当な時に理法についての教えを聞くこと
(高徳の高い人に会えば自ずから自分が高められる)
267 修養と、清らかな行いと、聖なる真理を見ること、安らぎ(ニルヴァーナ)を体得すること
(世俗の生活のままでニルヴァーナに達しうると考えていたことがわかる)
268 世俗のことがらに触れても、その人の心が動揺せず、憂いなく、汚れを離れ、安穏であること
(世俗の事柄とは、利得、不利得、名声、不名声、賞賛、誹り、楽、苦の8つをいう。志を堅く持って誘惑に負けないことである)
269 これらのことを行うならば、いかなることに関しても敗れることがない。あらゆることについて幸福に達する。


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