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シュヴァイツァーとの出会い

昨日はほぼ丸一日1人で自由時間が取れたので、仕事を少しした以外の時間は読書に浸ることができた。そこで「わが生活と思想より」を読了。
今回この本との出会いは、娘の紹介によるもので、それも心躍るエピソードの一つ。娘が「10分で読める伝記」から彼の人生を紹介してくれ私が彼に興味を持ったのだった。

今回の本は、最近読んだ本の中では、「進みと安らい」「禅マインドビギナーズマインド」に次ぐくらいの感じで興味を持ったのだが、何に興味を持ったのかといえば、彼の思想(哲学的論考の内容)と生き方(36歳でオルガン奏者と学者/牧師というキャリアからアフリカで働く医師へと変更しノーベル平和賞まで受賞)という両方に深く共感したというところ。

大学の時に勉強した哲学者たち(ニーチェやハイデガー等)はその思想に強く感銘を受けたけれど、当時生き方としては憧れを持てなかった。哲学の先生も、哲学者は自殺はつきもの、幸せとは程遠い、と言っていたし、行動して現実を変えるということをせずに真理を追求するという哲学者の姿は美しいし価値があるものだと思ったけれどNPOや学生団体の活動に夢中になっていた私としては、私の取りたいスタイルとは違うと思っていた。真理の追求と現実世界を変えていくこと、その両方取りたいけどそれは難しい話なんだろうなとずっと思っていた。

そこに、両方を追求し実現しているシュヴァイツァーの人生を垣間見て、とても感激。そして彼の思想、つまり、「生への畏敬」(内面的に自由独立たるべき精進し、自分の生を自己のために生きず、自己と接触するすべての生命を自己と一つなりと考え、行為を持って表現する)諦念・世界人生肯定・倫理を含んだ思想、また、「私の認識は悲観的である。しかし、意欲と希望は楽観的である」という彼の態度。その全てに尊敬の念を感じる。
また彼の思想は、とても禅のそれに近いものを感じた。

娘の紹介してくれた10分で読める伝記には、「地位と名声を捨て赤道直下の原生林で医療と伝導に献身したシュヴァイツァー」と紹介されていたが、私はこの本を読んで、それはちょっと違うのではないかなと思った。

彼の牧師や学者やオルガン奏者という肩書き・名声・地位は、彼にとってはどーでもよく(と言っても生活を支える収入という形で要所要所で助けられてはいるのだが)説教や論文を書くことや、演奏することは、彼の内的精神世界から外的現実世界へと橋渡しをしてくれる、彼の心の表現方法だったということ。そのような表現方法に囲まれて彼はとても幸せだったけれど、もっと深い内的幸せを得るために、困っている人を直接助けることができるという医師の仕事を選んだということ。ということなんだと思う。

彼の生き方・そして思想に興味を持ったので1ヶ月くらいかけて深掘りしていこうと思う。

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