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三宅一生の功績・継承と追悼

こんにちは、sayakaです。
今回は「三宅一生の功績・継承と追悼」について述べていこうと思います。

先日、8月5日 ISSEY MIYAKE創始者の三宅一生氏が亡くなりました。
私自身こちらのnoteでも何回かイッセイミヤケについて記事をかかせていただきましたが、私自身に多大な影響を与えたブランドの1つです。

https://note.com/sayaka41/m/m79a85312d072

ISSEY MIYAKEの記事はこちらにまとめておりますので、ぜひご覧ください。

三宅の功績としてあげられるのは、プリーツ製法や一枚の布という物作りへの考え方です。
東洋の美を日本人として第一線でパリ、そして世界中に発信してきました。
またAppleの創始者スティーブ・ジョブズもミヤケのタートルネックを愛用していたことで有名です。

今季のオムプリッセ イッセイミヤケのARCもミヤケの考え方が継承されているモノづくり。

オム プリッセ イッセイ ミヤケの新作「アーク」は、湾曲したポールが全体を支える“テント”の構造からインスピレーションを得たシリーズ。プリーツ素材に大きく描いた円弧が、衣服の構造となり、立体的なシルエットを生み出している。
FASHION PRESS
22AW ARC

実際にデザインチームが山に登り、テントを張り、どのようなフォルムになるのかを観察し、撮影。
その中でも湾曲した骨組みや布を張った際にできるたわみの曲線の構造をそのまま洋服に落とし込むというプロジェクト。プリーツに円弧をひいて生まれる新たな立体造形には圧巻です。
デジタルが主流な現代でもこのようなアナログに手を動かして構造を観察し、洋服を作るプロセスにはイッセイミヤケの服作りの信念を垣間見ることができます。

8/29までISSEY MIYAKE SEMBAでは特別展示「A WORK OF ARC」を開催中。

HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE on Instagram: "A WORK OF ARC: Behind the Scenes ISSEY MIYAKE SEMBA | CREATION SPACE Special Exhibition “A WORK OF ARC” August 1 - 29, 2022 The AUTUMN WINTER 2022/23 COLLECTION looks at a tent, as a structure consisting of fabric and a frame, and adapts elements of its construction for clothing-design. The way it engages in making folds and creases like drawing arcs on a pleated canvas gives rise to a new exploration of three-dimensional forms. This exhibition introduces the process of design and making from drawing board to finished products: the design team's research on both the materials and the structures of tents, as well as how it translated findings in the research into elements applicable to pleating techniques. Tents have been used as dwellings since ancient times, and their structures have undergone various transformations over time to adapt for different purposes. For this collection, the design team looks at the curved structures of tents, including their arched frameworks and the bow-shape curves of fabrics stretched over the frames. The exhibits include a series of photographs of the design research where the design team put up actual tents and studied their forms and structural details, a behind-the-scenes video revealing how the team adapted elements found in tents for clothing design, and a before-and-after installation of pleated garments. Please come and see the brand’s continued and determined design approach to pleating ever since its launch as well as its dedicated engagement in developing new garment forms. ISSEY MIYAKE SEMBA クリエイションスペース 特別展示「A WORK OF ARC」 2022年8月1日(月) - 29日(月) テントのような布と骨組みでできている構造物を研究し、服づくりに応用した 2022年秋冬コレクションは、プリーツの生地に円弧をひいて生まれる、新たな立体造形に取り組みました。本展では、デザインチームが行なったテントの素材や構造の研究、またそれをどのようにプリーツの生地で表現したかを、発想源から製作現場までの一連のプロセスを通してご紹介します。古くは住居としても用いられていたテント、その構造は時代や用途に伴い、多様な変化を遂げてきました。今回デザインチームが着目したのは、その中でも湾曲した骨組みや布を張った時にできるたわみなどの曲線的な構造。実際にテントを組み上げ、そのフォルムや細部を研究した写真、またそれらの要素を服づくりに落とし込むまでの過程を収めた映像をもって、製作の舞台裏を見せます。 それに加えて、プリーツ加工を施す前の生地と加工後、実際に形になった服を比較できる展示も行います。 プリーツの加工技術にもとづく、変わらないものづくりの姿勢と、新たなフォルムを生み出すための取り組みを是非ご覧ください。 #hommeplisse_isseymiyake #hommeplisse #isseymiyake #isseymiyakesembacreationspace #isseymiyakesemba" HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE shared a post on Instagram: "A WORK www.instagram.com


23SSのオムプリッセのテーマ「FLOWER AND VASES(花と花器)」のものづくりの背景でも実際にデザインチームが陶芸をし、花瓶を作ったそう。
このような0を1にするプロセスにいつも胸を打たれます。


A-POC ABLE ISSEY MIYAKEの錆から着想した新プロジェクト「TYPE-Ⅳ Yuma Kano project」も圧巻でした。

タイプフォー ユウマ カノウ プロジェクトのジーンズ
ものづくりの長い歴史の中で悪者とされてきた錆。よく見ると、さまざまな色が複雑に混ざり合い、とても美しい模様を作り上げていることに気づきます。本来であれば誰もが見落としてしまう錆の模様に、狩野氏の視点と発想が加わることにより、新たな価値が生まれました。
そんな狩野氏の代表作「Rust Harvest|錆の収穫」は、錆びた金属板から錆のみをアクリル樹脂に転写する斬新な手法を用いた、オリジナルプロジェクトです。日光・雨・土・海水などの自然要素を用いて自身の手で金属板の錆を育て、そこから錆のみを剥がした金属板を再び錆びさせて、新たな錆を作り出す。まるで農作物を生産するサイクルのように錆の模様を“収穫”していきます。
ISSEY MIYAKE INC

金属板に傷を入れ、雨などにさらし錆を育てるプロジェクト。そこからその錆をデータ化しタテ糸にはポリエステル、ヨコ糸には太さの異なる2種の綿素材を使用して立体的に錆を表現。

この考え方も普段欠陥として扱われてしまう錆に美しさを見出す東洋の美学。
またデニムという経年変化するアイテムとの組み合わせも納得するもの。

動画も公式サイトで上がっていたのでぜひご覧ください。



ここ最近の2つのプロジェクトを取り上げてみましたが、三宅のモノづくりの考え方が継承されていることが理解できるかと思います。

一枚の布、サスティナビリティ、東洋の美学、新たなテキスタイル、ファッションへの挑戦….

今回の悲報には世界中のデザイナーたちも追悼のメッセージを自身のブランドのSNSなどで発信しているのをたくさん見かけました。

ジョナサン・アンダーソン/「JWアンダーソン」「ロエベ」クリエイティブディレクター

「尊敬してやまない人物であり、ファッションを変えたデザイナーであり、偉大なイッセイミヤケが亡くなったことを聞いて哀しみにくれています。手仕事とテクノロジーのため彼がしたことはファッションの道筋を変え、それを私たちが今見ているのです 」

芸術家 横尾忠則

デザイナー 吉岡徳仁

一生さんとの出会いは、私が20歳のころ、倉俣史朗さんからご紹介いただいたのがきっかけでした。
あれから35年間、私にとって一生さんは師でもあり、父親のような特別な存在でもありました。
挑戦から生み出される ものづくりの素晴らしさを、一生さんから学ばせていただきました。
数々の感動にご一緒させていただいたことに、感謝しかありません。
ご冥福を心からお祈りいたします。

吉岡徳仁

個人的に胸を打たれたツイートはこちら。

東京都現代美術館学芸員 藪前知子

一部ですが抜粋して取り上げさせていただきました。


私自身もイッセイミヤケからたくさんの影響を受けた1人です。
三宅一生はファッションだけでなく、建築や空間デザインにも多大なる影響を与えてきました。

またテキスタイルに関しての挑戦にはいつもワクワクさせられます。常に時代を超え、デザインをしてきた三宅氏。今では「当たり前」に考えられていることを何十年も前から考え、デザインしてきた先を見る力をここまで持っている人はなかなかいないのではと思います。

一般の人に向けた服を作りたい、コインランドリーで洗えるような服を作るのが目標であるなど着やすさ、手入れがしやすいのにもかかわらず、ラグジュアリーにも決まるイッセイミヤケの服、特にプリーツの服は現代の忙しい人にもうってつけ。
また、日本の伝統文化である染めをはじめとした様々な地域の伝統である技術を発展させていきました。

このミヤケイズムを若者に継承し、今尚このような面白いプロジェクトをし続けるイッセイミヤケの信念を構築した三宅一生の功績は偉大なものではないでしょうか。

三宅一生の言葉で一番好きなものを中略して取り上げさせてもらいます。

”みんなアバンギャルドとは着られない服のことを言うけど、 ちがう、アバンギャルドとは時を超えることだ

この言葉の通り、イッセイミヤケの服は時を超えてきました。

こちらの動画にも先程の言葉を述べたシーンがありましたので、ぜひご覧ください。
1:26:00 ほどからになっています。


今回は「三宅一生の功績・継承と追悼」について述べてみました。

ファッション業界に与えた影響、そして三宅イズムの継承。
本当にこのようなニュースには胸が痛みますが、彼が残した功績は永遠に残るものです。

心からご冥福をお祈りします。

本日も最後までご覧いただきありがとうございました。

instagram __sayaka41

sayaka


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