記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。

科白劇 舞台『刀剣乱舞/灯』改変 いくさ世の徒花の記憶 感想③

感想 刀剣男士&講談師編

※ネタバレ有ります※
ほぼ全員が年下なので、キュンとするというよりは親戚のおばちゃんの気分で活躍を見守っていました。みんな良い子達だねえ、頑張って!みたいな。
歌仙さんの感想長めです。

講談師:神田山緑さん

扱いは“特殊な刀装”ということなので、こちらで。
観劇前はあくまでも外部の語り部という立ち位置にするかと思いきや、舞台の中に登場人物として組み込むとか演出上手いですね。
物語の説明と場面転換に欠かせないばかりか、戦闘シーンの迫力を演出する有能すぎる刀装。
講談は聞いたことがなかったのですが、ものすごくかっこいい!

独演会でガラシャ様と忠興様のお話をされるとのことです!
http://koudanshi.com/schedule/storytelling/1454.html

古今伝授の太刀:塚本凌生さん

最初は「腹の内が見えない」と歌仙さんに言われるように怪しさ満点でしたが…(政府を介した入電じゃなかったら絶対罠だと思うよねw)
「木にもあらず 草にもあらぬ 竹のよの 端に我が身は なりぬべらなり」
http://www.milord-club.com/Kokin/uta0959.htm
という歌ですが、刀剣男士としては間違っていても地蔵を傷付けることは出来ない葛藤を詠んだのでしょうね。
この歌は刀剣男士でありながらガラシャの手を取った地蔵にも重なるなあと思いました。

篭手切江:大見拓土さん

素直で真面目。そして「歌仙が元主に幻滅しちゃうんじゃないかって」と心配してくれる優しい子。
大千秋楽ではアドリブでれっすんの成果を見せてくれて可愛かった!
いつか満員のすてえじで観衆を沸かせる姿を見せてください!

獅子王:伊崎龍次郎さん

明るいムードメーカー。感覚派だけど頭の良い子という印象でした。
大友宗麟の最期の嘆きに
「そんなことはない。神様はいるぜ、きっと。じっちゃんが言ってたから間違いない」
と優しい声で答えていて涙腺崩壊しました。
ところで「じっちゃんの名にかけて!」は…使って大丈夫なの…?笑
(そして若い子は元ネタ知っているのか)

亀甲貞宗:松井勇歩さん

変態さん(褒めてます)かと思いきや切れ者。
空っとぼけながらしっかり成果を上げていくのがさすがです。
「愛のある痛みには価値がある」「ゾクゾクするよ」「放置プレイかい?」という名台詞(?)の数々が忘れられませんw
にっかりさんとのアダルトコンビはツッコミ不在…。

にっかり青江:佐野真白さん

第一印象はなぜ熊手持ってるの?!でした笑
(観劇当時は内番衣装の存在を知らなかったので)
ブレーン&サポート役で、歌仙の反応をうかがいながら寄り添っているのが印象的でした。
隙あらばアダルティ。亀甲さんと合わせてセクシー担当なのか…?
お役と大千秋楽のご挨拶のギャップに、役者さんだなあと思いました。

山姥切長義:梅津瑞樹さん

クール担当。戦闘が強くて頭も切れる頼れるメンバーですね。
「右の頬を打たれたら?」のくだりが大好きです。
亀甲さんの企みにもため息をつきつつ乗ってくれるし、律儀にツッコミ入れてくれたり実は優しいのではと思っています。
殺陣がダントツでかっこいいなと思っていたので、ラジオで殺陣に苦手意識があったと仰っていてビックリ。

「ここにやってくるのは誰だ、誰だ、誰だーーー!山姥切長義だーーー!!!」
「遅れてすまない!」
の部分とか、本当にかっこよかったです。
観劇した人の「成長が嬉しい」という感想をよく目にして、どういう意味なのだろうと思っていたのですが、友人から前作の話を聞いて納得。

地蔵行平:星元裕月さん

きれいなお顔と幼く見える見た目に反して、ドスの効いた声がかっこいい地蔵さん。配信でわかったのですが、目の演技が本当にお上手ですね。
ガラシャ様とのやりとりで、おずおずと「姉…上…」と呼ぶシーンが可愛すぎる…そして私もガラシャ様に「よろしいでしょう」って言われたい!笑

刀剣男士としての立場とガラシャ様を守りたいという気持ちの間で揺れ動く地蔵ですが、細川と明智の物語を持ち、かつ地蔵菩薩は人を救う立場なので、この葛藤も仕方がないのかなと。
けれどガラシャは滅びる運命にあり、鬼(歌仙)にその道を断たれてしまって…でも最後の最後に刀剣男士として戻れて良かったなと思いました。

あと、ハライソが天国という意味だと知って、では地獄は?と聞き返すシーンがありましたよね。
この質問を深く考えずに単に対義語だからかな?と思っていたのですが、地獄を統べる閻魔は地蔵菩薩の化身なんですね…だから地蔵は地獄にこだわっていたのでしょうか。

歌仙兼定:和田琢磨さん

文系…とは…?笑
最初の頃の公演ではクールな印象でしたが、公演を重ねるごとに感情の揺らぎが表に出るようになっていくのが印象的でした。
古今に「あなたにガラシャが斬れますか?」と言われた時の表情と戸惑いを含む声や、回想の声の優しさに刀剣男士の中にある「物語」の大きさを感じました。

ガラシャ様のことを「ガラシャ」と意識的に呼んでいるのは、これはあくまで改変された歴史の「ガラシャ」であり、正史の「玉様」ではないと自分に言い聞かせているのかなと。
それでも不意に出る「玉様」という呼び方に、隠し切れない思いが覗きますね。

「その迷いは断ち切らなければならない。あの人が僕を鬼と呼んだからだ」
と玉の願いを叶えた後に、自分の着物でガラシャ様の血を拭うシーン。
忠興様がガラシャ様の着物で庭師の血を拭うシーンとの対比ですね。

忠興様の回想での「血染めの着物など、風流ではないね」という台詞と、
絞り出すように言った「僕もまだ風流には遠い」という台詞。
葛藤を抱えながらも、地蔵と違い自らの意思で刀剣男士としての立場を貫く姿には、忠興様の刀だったことへの矜持とリーダーとしての強さを感じました。足元の照明が桔梗だったのも泣かせる演出…。

観劇後にゲームを始めたのですが、改めてすごい再現度だなあと。
刀ステファンの友人曰く、普段の刀ステはもっと迫力がある!そうなので、早く世の中が元に戻って満員の客席で観劇したいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?