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心の居場所を求めて

・友達がたくさんいる人でも
・毎日明るく振る舞っている人でも
・何事にも前向きで一生懸命頑張っている人でも

人は誰もが「孤独」と戦っている気がする。

でも、この孤独感は、それぞれの向き合い方で、増幅したり、軽減されたり、一生苛まれたり、逆に、孤独を乗り切って素敵な出会いに恵まれたり・・・

そういった意味で、「孤独」という人間の試練は、私たちに多くのことを考えさせ、私たちを大きく成長させてくれる気がする。

心の居場所と孤独感

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過去を振り返ってみると、私は中学生の頃から孤独を意識するような子であった。

なんだか、自分の居場所が、この世の中には、どこにもない気がして、色々なところを、彷徨い歩いていたような気がする。

私は何者で?
どの人と一緒にいるべきか?
誰に安心して頼っていいのか?

その頃の私は、自分の居場所が分からなくて「孤独」だった。

そんな私は、この世のどこかに存在しているであろう自分が安心していられる、「心の居場所」をずっと探し続けていた気がする。

田んぼの中の農家民泊

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私には「ここが私の居場所!」と言える場所を見つけることは、なかなかできなかった。

しかし、そんなある日・・・
私は、とある農家民泊を運営していらっしゃる農家さんのお家を訪れる機会を得た。

それは、日本で大学院生をしている時であった。

その農家民泊は、秋田県の田んぼのど真ん中にある。
くねくねした田んぼ道を、通り抜けると、急にポツンとコテージみたいな民泊が見つかる。

そのコテージは、冬に大工仕事をしている農家の旦那さんが40代の時に、一人で建てたというから、驚きで、とても古風で、おしゃれな民泊なのだ。

居間には囲炉裏があって、お風呂は檜ぶろ。

訪れるたびに、なんて可愛いコテージなんだろうって思っていた。

ここがやっと見つけた私の心の居場所?

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初めて訪れた時、私は一瞬で、このコテージの雰囲気と、農家さんご夫婦の人がらに惚れた。

ご夫婦は、急に現れた大学院生の私を、まるで昨日まで知っていたかのように、何の偏見もなしに、受け入れてくれた。

私はその日から、農家の奥さんを「お母さん」と呼ぶようになった。

そして、私はお母さんにこんなことを言った。

時間のある時に、民泊のお手伝いに来てもいいですか?

そしたら、お母さんは、すぐに「おいで」と言ってくれたものだから、私は、月1回、その農家民泊に遊びにいくようになった。

といえど、、、
農家民泊での仕事は何もない。

ただただ、私は農家さんのお家へ言って、だらだらとストーブの前で、お茶を飲んでお母さんとお話しをする。時には、お父さんも一緒に。

ただそれだけ。

お昼ご飯の準備と夕飯の準備を一緒にして、一緒に片付けをして、色々な郷土料理を教えてもらった。

囲炉裏でゆで卵を焼いたり、焼きおにぎりを作ったり。
夜は、ゆっくりと大好きな檜ぶろにつかる。

幸せだった。

自分が甘えられる場所

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そう。そのころの私は、農家さんご夫婦に「甘えていた」

最初は「お手伝いをしたい」と思って、農家さんのお家へ行こうと思ったのだけれども、今振り返ると、私は農家民泊の手伝いを一切せず、ただただ、ご夫婦に甘えていただけだった。

農家民泊に滞在しているとき、私は好きなことを、自由にして暮らしていた。

きっと、農家さんご夫婦が、私をそのようにさせたいと思っていた背景には、お二人が私から強い孤独を察し、その中で生きていることを感じ取ってくれていたからなのかもしれない。だから、私を静かに見守ってくれていたのかもしれない。それは、ご本人に聞いていないから、今も分からない。

しかし、もしそうであったなら、農家さんご夫婦には感謝しかない。

日本語では「甘え」という言葉の意味は、あまりいい意味として取られないことも多いが、何歳になっても、大人になっても、自分が安心して甘えられる場所があり、甘えさせてくれる存在がいることは、人間にとって幸せなことなのであろう。

そうやって、十分に甘えさせてもらえた人は、他者にも寛容な人となると信じている。

きっとそのような人は、表向きで強くあろうと努力している人々の孤独感に寄り添い、必要な時には、安心して甘えられる環境を整えてあげられると思うのだ。

それは「強さ」という鎧で固めていたその人々に救いの手を差しのべてあげられる、器の大きさと言えるのであろう。

私は秋田のご夫婦にそのような場を提供していただき、とても幸せであった。

だからこそ、私は将来、ご夫婦のような年齢となり、人生の経験を積んだ暁には、ご夫婦のように孤独と戦っている人々を暖かく受け入れ、存分に甘えさせてあげられる場を提供できる人間になりたいと思っている。

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