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音楽朗読劇READING HIGH 「ALCHEMIST RENATUS ~Homunculus~」

はやいもので、あっという間に2021年がやってきてしまいました。
こちらは2020年の12月6日に日本武道館で行われた朗読劇ですが、私は配信で見させていただきました。
こちらは再演でしたが、私は初見でした。

以下、役者さんごとに感想を(敬称略)いつも通りのお願いですが、個人の感想なのでぬるっと暖かい心で読んでいただければ幸いです。
以下、ストーリー展開を含むネタバレがあります。ご注意ください。

シドニウス/諏訪部順一
ホムンクルスの3兄弟の長男という役どころ。
圧倒的”兄さん” キャラが似合う諏訪部さんらしいキャラ。暴走しがちなアーベルを優しく諫める兄さん。兄弟たちを守るために自らの犠牲は厭わない兄さん。優しく、理性的で落ち着いた諏訪部さんにぴったりな役でした。
私はラストの詠唱破棄(自らの命を犠牲にして弟たちが逃げるのを炎で手助けするシーンの時、諏訪部さんが台本見てなかった)がすごく印象的で、諏訪部さんの凄さを感じました。
シドニウス兄さんが炎を出すときに呪文があるのも厨二心をくすぐられる…
この炎の演出が圧巻で、キャストさんたちみんなめちゃめちゃ暑かったのではないかと思います。朗読劇なのに武道館の消防法の限界に挑戦…!
しかしそれが、シドニウス兄さんの決意の表れを示していて、とっても良かったです。オレンジに照らされるみんなの顔…忘れられません。
シドニウス兄さんは視神経に欠陥があり、目が見えない設定なので、諏訪部さんが常に目を細め気味(伏し目がち)だったのもすごいと思いました。

アーベル/鈴木達央
ホムンクルス3兄弟の次男。
めちゃめちゃ鈴木達央さんっぽい役だなと思いました。次男、似合う。
触覚、味覚、嗅覚に異常があるため、シドニウス兄さんの作った料理の味がわからないんだけど、最後に「旨かった」って言うんですよ。文翁さんの朗読劇って、絶対最後に泣けるセリフを持ってくるんですよねえ。意地っ張りなのに本音言うんだよねぇ泣いちゃう(事後)そして、お別れ前。
あと寒さを感じないからエーレンフリートに上着を貸してあげたり、あー、そういう自分の特性活かした優しさ~~~とオタクは膝から崩れ落ちるのですよ(何)
言葉遣いが悪く、粗暴な印象だけど、みんなの力になりたいと医学を勉強していたり、バルドの前ではお兄さんぶったり、いい鈴木達央を見せていただきました。最初はエーレーンフリートのことも敵対視していたのに、なんやかんやで友情っぽいものが芽生えてたりして、素敵だなぁと思いました。こういうギャップにみんな弱いよね。いわゆるツンデレってやつです。
初演では、梶裕貴さんが演じられていたんですよね。ちょっと梶さんだと優しすぎる?って感じかなぁと思ったんだけど、梶さんのツンデレも想像できなくはないので、アリかな。梶さんだともうちょっと少年っぽい気が(見てないのでなんとも言えないですが)

バルド/豊永利行
ホムンクルス3兄弟の三男。実は、生まれたばかりであまり人間界のルールとか知らない。だが、知らないが故にみんなが”そこ触れてほしくないなあ”ってことを言い当ててしまう、純真無垢な弟。
唯一の完全体だけど、表情の作り方を学習できておらず、発言と表情が嚙み合ってないことが多々(常に表情は笑顔)
最近、結構かわいい豊永さんを見てなかったので(昔は結構、弟キャラとかショタっぽい役をやってらっしゃったけど)、うわ~~~、可愛い~~ってなってしまった。「兄さん♪」って呼びかけるときが可愛いんだよなぁ。
でも、実はホムンクルス計画の首謀者である、前教皇が乗り移った憑代だったんですよね…ラストの方で前教皇として(低音で)喋るシーンがあって、豊永さんがキャスティングされたのは、このためだったのね~~~と妙に納得してしまいました。
3兄弟のその後は描かれていませんが、中にいる前教皇はどうなったのか、バルドは大人になるにつれて、人格は乗っ取られないのか…気になる。

エーレンフリート/花江夏樹
初演では、甲斐田ゆきさんが演じられていた役。はぁ~なるほどなぁと思いました。確かに声の系統は似てる。
花ちゃんは、語り手となるヨハン・ベドガーの弟子役も演じていらっしゃいましたね。物語が始まった当初、ずっとこの弟子役なのか!?と思ったら、エーレンフリートがガツッとでてきたので、びっくりしちゃいました。
ホムンクルス4兄弟の四男。といえども、エーレンフリートは死んだ人間の子供で3兄弟の父・大錬金術師テオフラトスに生き返らせてもらった屍人。詠唱により屍人と生き返らせることができる。
肉体的には生きているが感情がなく、心臓が動いていない。なんだっけ、忘れちゃったけど、なんか物質を摂取しないと死んじゃうんですよね(曖昧ですみません)それを確か、アーベルが作れて、それをもらうために3兄弟と行動を共にするという始まり。最初は何で僕がお前たちと…!って感じだったのが、だんだんと4人で仲間意識が出てくるところの心情の変化が分かりやすかったです。最後、みんなでベドガーの故郷に行くところは、だいぶみんな仲良くなってて、物陰からみんなで覗いてたりするシーンが可愛かったです。あと、エーレンフリートのなかなか激しいシーンの後、現在のベドガーを看病する弟子の優しい声のシーンへの移り変わりが、よく切り替えができるな~と思ってみてました。
花ちゃんの聞き手はすごく安心できますね。あとエーレンフリートが家族(本人は覚えてないけど)にお別れを告げるシーンもなんだか印象的でした。

ユリウス/蒼井翔太
フェルナンド枢機卿強引に勧誘されて、ホムンクルス4兄弟を捕まえる対ホムンクルス特殊部隊『パラディン』に組み込まれてしまう修道士・ユリウス。実は、しょーたんの素に近いキャラなんじゃないかなと思ってますw
あんなにお奇麗な顔で、スタイルも抜群のしょーたんですが、結構、性格は少年っぽいというかやんちゃな部分も結構あると思うんですよね(個人的見解ですが)ユリウスも登場時は心優しい田舎の修道士かと思いきや、フェルナンド枢機卿がバカスカ拳銃撃ちまくってるときとか意外と”そういうの好きです…!”と言ったり、まぁまぁ初期設定からやべえやつなんだなと思いました(笑)
初演の梅ちゃんとはお衣装からして全然違ったわけですがヒール高めのブーツめっちゃ似合ってた。またフェルナンド枢機卿役の津田さんとの漫才のようなやりとりもめっちゃ楽しかったです♪ しょーたんの新たな魅力を感じました。こういう少年っぽい心を持った役もたくさんやって欲しいな。

フェルナンド/津田健次郎
いや~、津田さんめちゃめちゃカッコいい!
この朗読劇の中でのアクションシーンをすべて担ってたんじゃないかと思うほどのキャラでした。基本的に教皇の命令だからやってるけど、実はあんまりやりたくない(面倒くさい)と思っているところとか、全部声に出ちゃってるところは、許されないんだけど、津田さんの声で全部おっけーになっちゃうのよね(笑)あの独特な気だるさを表現できる人ってなかなかいないと思うんですよ。
教皇が絡む創作って、だいたい教皇(バチカン)が黒幕ってことが多いんですが、この話も例に漏れず。でも、そういうのが分かっちゃっても、変にホムンクルスに同情したり、お涙ちょうだいの方向に転換しないのがフェルナンド枢機卿のキャラのいいところだと。ちゃんとシドニウス兄さんに最終奥義を出させるまで、追い詰めてますしね。

ヨハン・ベドガー/中村悠一
この物語における語り手。陶磁器の製作で出世したベドガーが弟子に、今際の際で過去、錬金術に傾倒し、不思議な4兄弟に出会ったことを話し始めるというのが、物語のスタート。
最初、ゆうきゃんが、すっごいおじいちゃん声で喋り始めたので「えっ、誰!?」と思ってしまった。回想シーンの中では当然、若いのでいつもの青年声になるのですが…
この物語の中で一番普通の人。ホムンクルスに驚き、錬金術の効果に驚き、時には常識で考えられないことが起こったとき、困り、嘆き、時にはツッコミを入れるという視聴者の代弁をしてくれる役割。
でも、実は名家の出身で、自分だけ没落を免れ、家から逃がされて生きてきたという過去があり、またその故郷へ戻ることになるというエピソードが印象的でした。ベドガーは、なぜ人を蘇らせようとするのか、死なないということはどういうことなのか、彼自身がそれを目の当たりにすることによって、心情が移り変わっていくのがよく分かりました。
物語のイントロダクションでダヴィンチの言葉として「人は死ぬようにできているのだ」と引用されていますが、死ぬようにできているものを摂理に逆らって生かし続けることによって、何が起こるのか。
結局、その力を欲しがるのって権力者なんですよね。この物語も教皇がずっと世界を支配し続けるために新しい永遠の命を持った器を作っていたってことですもんね。
ゆうきゃんも花ちゃんと一緒で若々しい回想シーンからいきなり現在のおじいちゃんシーンになったりするので、声の切り替えがすごいなぁと思いました。影をまとったキャラをやりがち…という話をどこかでやってましたが、今回も例に漏れずそんな感じでした。いや、ゆうきゃんのおじいちゃんにほんとびっくりしました。マジですごかったです。

鈴木達央さんのTwitterより。言わずもがな、ゆうきゃん可愛い♡
文翁さんの朗読劇は毎回、衣装もとっても楽しみです。みなさん似合ってて素敵です。