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VOICARION Ⅲ 博多座声歌舞伎〜信長の犬〜

今回で3回目となるVOICARION。
ずっと気になっていたけど、都合がつかないことが多くて諦めていました。
第3弾も博多だし…どうせ…と思っていたら千秋楽のライブビューイング!キター!!
秒速で申し込みましたよね。私は都心に住んでいないので、ライブビューイングも満席で外れるなんてことはなく、家の近くで見てきました。
なんていうか、本当に見ることができてよかったなって心から思っています。
これから感想を書きますが、全公演終了していますし、のっけから全部書きますw
※いつも通り、記憶違いがあるかもしれませんが、細かいところはスルーでおなしゃす

【キャスト(敬称略)】
信長の犬(ルキフェル/シロ):諏訪部順一
織田信長(御方様):朴璐美
明智光秀(風魔小太郎):保志総一朗
豊臣秀吉:鈴村健一
千利休/瑠璃丸(多聞父):井上和彦
太田資正:浪川大輔
野口多聞:石田彰

【ストーリー】
武蔵国の松山城と岩槻(付)城の城主である太田資正の元を関白・豊臣秀吉が訪ねて来る。こんな田舎に関白殿がなんの用件かと訝しむ資正の片腕・野口多聞。
聞けば、秀吉は資正が飼っているという「白き魔犬」を譲り受けたいと申し出て…

2部構成になっていて、1部と2部の間に20分の休憩を挟み、3時間強の公演時間でした。
1部は秀吉が資正を訪ね、資正、多聞がどのように魔犬と出会ったか、秀吉がどのようにして魔犬に出会ったか、秀吉、過去の回想→信長が本能寺の変で死ぬまで。
2部は能の「敦盛」から始まり、過去の回想と現在を行き来しながら、信長の死後、秀吉はどのように生きてきたか、魔犬は如何にして太田家を救ったか、そして魔犬の死まで。

以下、各個人ごとに印象的だった部分を書いていきます。


<諏訪部さん>
犬ってどういう演技するんだろう?心の声かな?と思っていたんですが、あまりの多彩な演技にびっくりしました。
信長のお犬さんは劇中、だいたい怪我をしているのですが(笑)、若い頃、歳をとってから、怪我で苦しんでいる様子、全てが手に取るように分かる声で本当に素晴らしかったです。あと心を開いていない演技も。
千秋楽後のご自身のTwitterで犬種がボルゾイだということを明かしてくださいましたが、私はゴールデンカムイのレタラみたいな想像をしていました。
あれは、よく考えたら狼ですね(笑)
好きだったのは、信長との追っかけっこのシーンと瑠璃丸との最後のお散歩。
信長と一緒にいる時は本当に声が嬉しそうでキラキラしているのがよく分かりました。夢の中で信長様と会えて本当に良かったね、とラストは涙が溢れました。
あとは終演後のキャストコメントでのMCも好きでした。
適宜、絶妙なツッコミありがとうございました(誰目線…)

<朴さん>
朴さんは本当に全てが信長でした。
セリフがない時に椅子に座っているお姿がすでに信長様で超かっちょよかった!
ご本人は終演後の挨拶で、事細かに反省会をしてくださって文翁さんに「こんなイケボ声優の中で信長をやるプレッシャーたるや…!」と仰っていましたけど、あの信長様は朴さんだからできたんだと思います。衣装も素敵でした。
腹の底から叫ぶ声にゾクゾクしました。叱ってほしい(聞いてない)
あと1部の最後で信長が本能寺で死ぬ時、障子越しに演技していて、本当に焼け落ちる演出、素晴らしいなと思いました。視覚からも楽しませていただきました。
あと、実は御方様という資正の実母も兼ね役で演じていたのですが、改めて「朴さんは女性なんだよね〜」という認識をしましたw

<保志さん>
実直で真面目、優秀な光秀役にぴったりでした。
保志さんの声、改めて好きだなぁって思いました。真っ直ぐで曇りのない声。
ちょっと精神的に秀吉に追い詰められちゃうところとか「保志さんいじめないで!」っておもわず言いたくなっちゃうところw
光秀が討ち取られた後、後半は北条氏側の風魔小太郎として登場。
なかなか癖のある噛ませ犬?(笑)っぷりで、そちらの演技も楽しめました。
終演後の挨拶では何故か観客代表として「感動した!」というコメントをwww
相変わらず、ミラクル…ラストシーンで降り注いだ桜の花びらが頭に乗ってる可愛い♡
そして「ぱっぴ〜」は如何なる時も忘れないw

<鈴村さん>
役としては、一番振れ幅があったんじゃないかなと思います。
最初は関白・豊臣秀吉として現れて、段々、闇落ちの過程が明らかになっていくというすごいキャラでしたw
利休の前で光秀との会話を回想するシーンとか極悪やないか!と。
「大義であった!」がこんなに恐怖を煽る言葉になろうとは誰も思わなかった。
天下取りとは孤独である…あと雨の降る日に全てを失うっていう演出もよかったです。
日輪のように明るく笑っていた信長様との日々がキラキラし過ぎていて、落差半端ないw
終演後はキャストみんなから感謝されていましたね、食べ物の手配は全て鈴村さんが…というw 水炊きに牛タン、みなさん博多ライフを楽しんでいたようでw

<井上さん>
ほんっとうに多彩な声が出せる方だなぁとそればかり公演中考えていました。
利休、瑠璃丸、多聞パパまで様々な役を演じてくださいました。
瑠璃丸は資正が最初に飼い始めた犬(現在は老犬)ですが、最初に出てきた時はこんな重要キャラになるとは!?って感じの存在でした。
あとムツゴロウ状態の資正に付き合って可愛くごろごろしたり、ペットを飼っている方は和彦さんの演技に泣かされた人も多いのでは。
「命、とは誰かのために生きること」この話の中で幾度となく語られた言葉。
誰かのために死ぬことは決して、美しくなんかない。寿命が尽きるまで生きろ、そういうメッセージをくれたのが、1番の老犬っていうのがね…(号泣)
「これからは、ワンコ先生としても頑張っていきたいと思います」by 和彦さん

<浪川さん>
いやぁ〜浪川さんにぴったりの役でしたね!無礼者の演技www
アホ面して犬の世話ばかりしているダメ大名かと思いきや、やる時はやる?というか犬に関しては一生懸命で、結果、犬に助けられているのだから、やはりこの運命も資正が引き寄せたのだなぁと思いますよね。
しかも信長の犬も覚えていませんでしたが、信長もちゃんと「太田資正」を認識していて、そいつに助けを求めに行け、と言っているわけですから。
資正は犬の気持ちが分かる、不思議系大名(もしかしてヒロイン枠?)ですが、純粋な守りたいという気持ちが信長の犬や多聞を太田家に引き寄せているのでしょう。そこに変な打算がないから、本当に犬や多聞の光になれるんだなぁと思います。そこが秀吉との違い?カリスマ性??(久々にカリスマとか書いたw)
終演後の挨拶では謎のオッズを発表しましたが(笑)、普段の会話すらままならないのに(本人談)よく噛まずに頑張りました!

<石田さん>
石田さんは千秋楽の「はやく消えたい…」という言葉が印象的すぎてwww
突然、忍たま乱太郎が始まりそうになりましたがw
それを抜きにしても、野口多聞はザ・石田彰って感じの役でしたね。世間の8割が石田さんに求めているイメージを具現化したというかw
城主に説教くさいと嫌がられている乳兄弟の側近とか性癖に刺さりまくる!(笑)
主に説明キャラなので、セリフの量も膨大だったはずです。
あとだいたい資正に文句言ってますもんね。
ガンギレして、風魔小太郎にケンカ売るシーンは好きですね。
そのあとに資正に「えっ?策ないのぉ??」と言われてるのが面白すぎました。
最後に犬嫌いだったのに、信長の犬と心を通わせてたのがよかった。
結果、人のために死ぬことを止め、資正の援軍のお陰で助かったわけだし。
人のために死ぬ自己犠牲…SEEDのアスランを思い出してしまいますね!「生きることの方が戦いだ!」…あ、キャスト全員ガンダム乗れそうですね(笑)

余談…
岩槻城と松山城を散歩するって言ってたけど、山道やばいとか言ってるし、どうなの?と思って調べてみました。(跡地での距離ですが)
実は、33kmありましたw 馬でも1時間かかる、というのは嘘ではなさそう。
しかし、資正の脚力とかヤバくね…?
私だったら死んでいます(聞いてない)

こんな感じで私のほぼ初?朗読劇鑑賞は終わりました。
生演奏に特効の演出もすごかった!保志さん、和彦さん、朴さん、諏訪部さんは舞台のキワにいたので、炎が燃え盛ったり、銃弾の特殊効果でバンバン音がしてた中でもちゃんと演技されていて本当にすごいと思いました。私だったらビビって声裏返りそうw

しかし、本当に衣装も特殊効果も演奏も素晴らしくて、また機会があれば見たいです。
いつか本会場で見られることを願って。