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オリンピックの仕事をした話

2021年、夏
地味な建造物からドンパチ花火が上がり、
平和の祭典オリンピックが幕をあけた。

時は2020年3月に遡る。

1年目にして阿呆みたいな量の案件を持たされていた俺は、
翌日に控えた聖火リレーの出張に向け、
今日中に引継ぎ資料を作らんと死ぬ!と思いながら半端なく適当にしこしこ資料を作っていた。
2020年の3月といえばそう、コロナがバズり始めた時期だ。
延期するのかしないのかどっちなんだいの状況で、仕事をしながら安部首相の会見を待った。
たしか、当初16時予定の会見は18時に延び、さらに21時に延びて
自分と上司2人だけがフロアに残った状態で、大会延期の知らせを聞いた。
その瞬間ここ1年弱やってきた2020案件のほとんどが無駄になり、絶望した。

しかし感傷的になっている余裕なんてなかった。
翌日から控えていた出張の宿、新幹線、レンタカー、機材、飛行機
キャンセル祭りだ。
1日であんなにキャンセル手続きをする日はもう来ないであろう。


そこからというもの、1年経つのはあっという間だった。
6月頃から2020案件は再度動き出し、なんならコロナ対策という新たな対応を盛り込まなければならず、当初より仕事は増えた。
さらに海外客の受け入れと自国民への販売をするしないの決定は何か月も先延ばしにされ、この世の終わりみたいなスケジュールで日々動いていた。

そして2021年3月
もう2021年なのに名称はそのままのTokyo2020聖火リレーがついにスタート。

正直めちゃくちゃしょぼかった。


じいさんばあさんばかりの田舎道を、
EDMを垂れ流すコカ・コーラの街宣車が通る。
NECのオネーチャンがキックボードで駆ける。
なんだこれ?

しまいにはコロナがまん延し、
走行中止、ステージでトーチキスするだけ、一般人入場不可。
かわるがわる壇上に上がる知らない人同士が、トーチを寄せ合い火を移す。
こんなのが何時間も続く。
いったい何をみせられているんだという気持ちで、ノベルティのコーラを飲んだ。


そして冒頭の開会式だ。
新国立競技場(正式には新はつけてはいけないらしい)を最初見たときは、
さすが隈研吾、美しいじゃないか。と思っていたが、
開会式で花火が上がり、ショーが始まると何ともミスマッチ。
美しさが台無しだなと思う反面、それもなんか日本らしいとも思ったのを覚えている。
開会式テレビで見た?
ありえないくらいひどかったよね。



久々に文章を書いていたら1時間くらいたってしまった。
大会本番の話はまたこんど。


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