見出し画像

私には忘れられない、夕陽に照らされたオレンジ色の坂道の風景があります。
その風景にはその時の全てが、正解が、感情が閉じ込められていて、美しいまま。
ふと思うと胸が苦しくなる。
どうしても忘れられなくて、でも息苦しさを覚えるようになり、ようやく向き合う事にしました。
それがオリジナル曲「オレンジの坂」になります。

当時私には絶対的な指針となるものがあり、
それが全てで正義でした。
その正義のおかげで自分を保っていたし、守っていました。
私は人一倍自己防衛本能が強いのです。
頑固さもあいまって、それ以外の自由は考えもしなかったけれど、
ふと一歩下がって見たとき感じた事は意外にも「がんじがらめかもしれない。」でした。
心のどこかでずっと前から気付いていたけど
自分の指針から離れる事はそれを否定する事になると、怖がっていました。
我慢強くだましだまし過ごしながらも、日増しに感じる息苦しさと向き合う日が来てしまいました。

あの場所へ行き何時間も一つづつ丁寧に心が落ち着くまで考えた結果「どこにでも行っていい自由」を選びました。

その頃ノートの走り書きにこんなものがありました。

大切なのは「いつでも道を変えられるようにしておくこと」なのかもしれません。
夢も目標も理想も思想も仲間も「もうここから外に出ない」と決めてしまった時点で、人を縛る鎖に変わります。
今のあなたは何より、「どこにでも行ける自由」が必要で、さらに「どこにでも自由に行ってみる」ことが必要なのだと思います。

大好きな石井ゆかりさんの星読みから。
このメモが完璧にふに落ちた瞬間でした。

あぁ、この情景を忘れられずに居ることがどれだけ自分を縛る事になっていたか。
美化するわけでも忘れるわけでもなく、そこから自由になるだけでいいんだと思えました。
自分で許しを出すことがなかなか出来ない私だからこそ、清々しさは格別でした!

早々に帰宅し、たくさんノートに書き、曲作りをしました。
新しい歳を迎えるために、必要な作業だったと思います。
随分歪に戦っているなと呆れてしまいますが、仕方ありません。

大切にしたいもの、指針、は
改めて見つけなくてはなりません。
今は道の途中で、それはそれは向き合う事を避けられない毎日だけど
それを教えてくれる側にいてくれる人たちに感謝しながら、新たに「ここに居たい」と思える何かが見えた時、強くなれると確信しています。
「いつでも道を変えられる」と許しを出してあげるのは忘れずに。

あの「オレンジの坂」は今も心の中にあり、とても自由な風景です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?