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『Cultist Simulator』硬派なプレイログ「そうだ、マンサスに行こう」

貴方は『Cultist Simulator』を知っているだろうか?
もし知っていて、あまりの意味不明さに攻略情報等の求めにやってきたのであれば他の記事を当たって欲しい。
未プレイの人向けにプレイの感触を伝えるためにこの記事を残そうと思う。
プレイ部分だけ読めば物語調で読めるはずだ。


もしかして硬派なゲームです?

『Cultist Simulator』はカルト教団を作り、非合法な事や邪神の力を行使して【栄光】へ至るというゲームだ。

しかし、カルト教団を作るゲームと言えば『Cult of the Lamb』の方が有名だろうか?配信者がこぞってプレイしたのは記憶に新しい。

知名度バツグンの(かわいい子羊が)カルト教団を作るゲームと言えばこれ!

今回のプレイする『Cultist Simulator』は『Cult of the Lamb』より随分前(2018年)に登場したゲームであり、そのあまりにも硬派な内容でプレイヤーに混乱と「なんだこれ……意味分からないのに面白いぞ……?」という奇妙な感覚を植え付けたゲームである。

どんなゲームかと問われれば、『Cultist Simulator』のゲームジャンルは【資産管理カードゲーム】とかに分類されるかもしれない。
似たようなゲームで言うと『Stacklands』(2022年)が思い当たる。

『Stacklands』はカードを使って村を存続させるサバイバルゲーム

『Stacklands』は人を生かし、村を発展させ、ボスを倒す等、すべき事が明確で分かりやすい構成になっている。

『Cultist Simulator』は最終的に【栄光】に至るという目標があるが、【栄光】がなんであるか?どうすれば到れるのか?といったミステリーの要素を併せ持っている。

したがってプレイヤーは謎に満ちたストーリーと謎に満ちたゲームシステムにも挑まなくてはいけない。
もう十分硬派であることは伝えられたと思うが、どのぐらい硬派な内容なのかはSteamに乗っていた注意書きを見れば更に分かるだろう。

チュートリアル無し!遊び方を理解する工程もゲームだよ。頑張って!

更にゲーム画面を見て欲しい、全く意味が分からないはずだ。
ゲーム開始からゲームクリアまで以下のようなゲームボードとカードを延々と操作することになる。

なんだこれは……一体なにが行われているのだ……?【栄光】どこ……

有名なゲームと言えば配信等で盛り上がるものであろう。
一説によると、有名配信者がプレイすると売上が変動すると言われている。

Steamの「非常に好評」のレビューを持ってしても残念ながら『Cultist Simulator』は配信向きとは言い難い。
変化のない画面が続き、そのくせ状況だけは恐ろしく複雑になり視聴者が付いて来る事ができなくなるのが原因かもしれない。

大変失礼ながら私がYoutubeを確認した限り(2024年の2月時点)では視聴回数1万を超える日本の実況者は居なかった。視聴者の母数も当然少なくなるため、このゲームの面白さが布教しきれていないように思う。

そこで、私がなんとかこの硬派なゲームを布教してみようと思う。

ここからゲームの内容に触れるため、一応警告させていただく。
以下を読んで、大丈夫そうならそのまま進んで頂きたい。

システム的な小難しい事は無しにしてストーリーを全面に押し出したプレイログを残していこうと思う。

プレイ序盤の1時間にも満たない部分をピックアップする。
更にこのゲームはローグライクであるためプレイの度に違った内容になるため、ギリギリネタバレと言い難い形になるのではないだろうか。

お読み頂けたようなら、はじめよう。

硬派なプレイログ

【大志を抱く者】は平凡な人が歩むシナリオ。
他にも色々シナリオがあるが、ゲームオーバーにならないと解禁されない。
隠しシナリオもあるので探してみるのもいいだろう。

私は大学を卒業したばかりで単身都会にやってきたしがない男だ。
特に情熱も無く人生を消化するように過ごしている。

主人公=私。平凡な人生、平凡な人物。(男女不問)
果たしてこんな情熱の無い暮らしで良いのだろうか?と日々に疑問がある。
(舞台は1920年代頃とされているが、現代という認識でもそう違和感はないだろう。)

今私に出来るのは病院のポーターの仕事だ。
患者を移動させたり、備品の移動だったり、端的に言えば病院の小間使いだ。給料も安くて敬意も払われない仕事だが今の私にはこれしかない。

右側に注目。仕事をこなすと資金が得られる。体力を消費させられる。
体力が減ると疲労状態になる。更に進むと老化(修復不能な疲労)になる。

とにかく肉体労働がきつい。
病院のポーターは資金を稼げないばかりか、肉体労働で体力を使う。
私のような軟弱な者はすぐに疲労してしまい、稼ぐ効率をあげられない。

体力回復のために休んでいると、トドメを刺すように病院のポーターの仕事をクビになり追い出されてしまった。
私の手元には疲労感と雀の涙のような資金だけが残った。

困り事はこれだけではない。

時間経過によってお金はどんどん消費されていく。
生活費、食費、その他諸々。時間は資金を奪っていく。
ただ無情に、ただ決められた通りにお金は手元から流れていく。

強制的にお金を吸い取る【時間経過】アイコン。
このゲームでは資金の切れ目が命の切れ目だ。

「生きる道をなんとか探さなければ……」とするも世間の冷たさが重くのしかかる。なんとかありついた仕事も数ヶ月でクビになってしまった、別の仕事だってすぐには見つからないだろう。
嗚呼、田舎に残してきた両親はこんな私を見てどう思うだろう。
自分が酷く恥を晒しているような気がして萎縮してしまう。
こんな調子で私は”私が思い描いたような立派な人間”になれるのだろうか?

私は私の理想像と随分と剥離してしまった

先行き不安に苛まれ、自嘲気味になり、減りゆく資金を眺めて途方にくれていると文通相手の訃報が届いた。

謎の多い文通相手が死去。

懇意にしている相手の訃報に落胆するも、皮肉なことにこのバッドニュースが私がカルト教団を主として大成する引き金となったのだ。

訃報の他には文通相手の遺言と資金がいくらか包まれていた。

その遺書には恐るべき事に私が見た夢の内容を正確に描かれていた。

文通相手にはもちろん話したこともない夢だった。
森、鹿、蛾、そして門の存在。私も漠然としか分からなかった内容が整然と並んでいる。そして混乱する私を導くように様々な情報が添えられている。

珍品を扱う店への地図、協力者候補の記録、この世ならざるオカルトの断片。どういった理由か分からないが、文通相手は生前から私をよく観察しており、私の才覚に眼を付けていたようだ。私自身は才覚など有りもしない平凡な人間だと思っていたが、彼からすると違うらしい。

彼は「自分の代わりにこの世ならざる神秘を解き明かす事を成し遂げて欲しい」と、手紙を遺したのだ。
胸が高鳴る。間違いなく彼の文字だ。
「マンサスを導きに昇天することにより【栄光】を手にする事が出来る」
意味は分からないが、文通相手の言う事が真実に聞こえる。それもそのはずだ、彼は誰にも語っていない私の夢の内容を当ててみせたのだ。
この遺書には意味がある、価値がある。
この遺言を託された自分にも或いは……そんな期待と興奮が隠しきれない。

彼の遺したものは断片的でどのような意味や意図があるかまでは分からない。

珍品を扱う店(モーランドの店)へは後で向かうとして、その他の問題は一度置いておくことにした。いくらか資金が包まれていたのでありがたいことに少しの間は生活できるが、私自身で言えば生計も立っていないのだ。次第に現実に引き戻され興奮を落ち着けようとする自分が居る。
「彼の妄想と私の夢が競合しただけで、何を浮かれているのだろう」と冷静になるが、彼の言葉は間違いなく私の人生に小さな情熱を灯し、私もまたその瞬きに抗うことが出来なくなっていった。

私は夢の中でどこか此の世ならざる森を彷徨った事があった。
思えばあそこは彼の言うマンサスだったのだ。
私はこれから世界の真実が記された資料を集め、更にはマンサスを探索し、情報を集めなくてはならない。

マンサスとは「時の神々」がそぞろ歩き、隠された歴史が集う、壁のない家です。夢を見ることでマンサスにアクセスするための様々な手段を見つけることができます。

https://steamcommunity.com/sharedfiles/filedetails/?id=1632861993

私は現実的な問題と情熱的な夢の狭間で再び人生が息を吹き返した。
人には夢が必要だ、どんな暗い絶望の中でも夢があれば突き進む覚悟になる。

目標が出来た、私は栄光を目指す。

そうと決まればまずは現実的な問題を対処するために、生計を立てなくてはならない。これから忙しくなるだろう。
私は体力を使って資金を稼ぐ事が兎に角効率が悪いと考え、事務職を選択した。肉体労働で資金を稼ぎ、疲労した体力を癒やしていたらどれだけ時間があっても足りない。私の仕事は山積しているのである。

グローバー&グローバー社から内定

新しい仕事を得ることが出来た、肉体労働ではないがストレスが貯まる職場だ。昇進すれば今よりも更に楽に資金を得られる事だろう。
嫌な上司に責められても営業スマイルで乗り切る事を要求される。
特に上司のオールデン氏は私の仕事ぶりについては懐疑的だ。
この慎重派の小心者は私の人生における障害物でしか無い。

オールデン氏は高圧的に部下の仕事ぶりを管理してくる

オールデン氏の言いなりにならない。
私には栄光に至るという事務職よりも遥かな目標がある。
そのためには昇進する方が近道ではあるが、仕事に情熱を捧げている場合ではない。オールデン氏の対処はまた別の方法で行うことにする。

オールデン氏の言いなりになることも出来るが……

しかし、彼の小言には日々うんざりする。
ストレスは次第に日常を圧迫し【恐怖】に変わった。

様々な理由で【恐怖】が生成される。3つ貯まると主人公は恐怖に抑圧され自決してしまう。

リラックス出来るようなものを探す。
なんでもいい、手近な娯楽に少しお金を出せば精神は健全に戻る。
私が欲しいのは栄光に至るまでの間、自分の精神が破壊されないようにするだけの健全さで良いのだ。

こうして手近なドラッグに手を伸ばした。少しばかりの満足感で恐怖を払い除けた。私はドラッグの恐怖よりも『何者にも成れず死ぬ』方が怖い。

恐怖への特効薬は満足感。一時的に満足感は得られる。

気持ちが軽くなると、例の遺言に記されている珍品を扱う店の事が気になった。幸いにも仕事詰めで資金には余力がある。
時間を見つけ覗いてみる事にした。

胡乱な佇まいのモーランドの店で、妙齢のモーランド嬢が無愛想にこちらを客として認識したようだ。外観からは分からなかったがどうやら本屋であり、どのような本を取り扱っているかはその時々によって変わるらしい。

モーランドの店。どんな危険な本があるのだろうか?

遺書に記された通り、モーランド嬢に何も告げず本を漁ることにした。
それがこのモーランドの店の取引方法なのだ。
興味深い3冊の本を見つけることが出来た。各本はどこの書店でも取り扱っていないような古ぼけたものだが、この世の真に迫るような迫力がある。論文集もいくつか見繕った。
数ヶ月生活出来る資金を支払い、応じたモーランド嬢は小さくお辞儀をした。
それでここでの取引は終わりだ、結局モーランド嬢は一言も発さなかった。

購入した4冊の本。

マネキンのように表情が動かないモーランド嬢を不気味に思い、怪訝な顔を隠し通せずに本を受け取り店を後にした。
だが、悪い店ではなかった。
品揃えは充実していたのは確かだし、宗教めいた本を欲している等とモーランド嬢に口伝するのは憚れる。だから無口でいい、無言で良いのだ。

家に帰り、私はそのうち一冊を手にとった。
『白の上で』

冷たいオーラを感じる本、この著者もマンサスに行ったことがあるのだろうか?

非常に難解な本であったが、読み解いてみると一つのマンサス的(少なくとも我々のいる世界の理ではない)なルールを見つけることが出来た。
『墓守の秘密』というルールだ。このルールも断片的で恐らく著者も多くは知らないのだろう。私はこうしたルール群を【伝承】と呼称する事にした。
世界各地に散らばる【伝承】を集めることもマンサスを探索する上で重要になるだろう。

『墓守の秘密』という伝承。この意味が分かるのは随分後である。

読破するとどっと疲れが押し寄せてきた。

ベッドに横になり、先程まで作業をしていた机を見ると解読のために使った紙とペンとインク、食器や明日の仕事の用意などが散乱している。
荒れた自室を見て、また自嘲気味になってしまう。
私は何をしているのだろうか、自分でも良く分からなくなっている。
故人の妄言に巻き込まれているだけではないか?
自分の気が触れてしまったのではないか?
だがどうだ、実際に現実にマンサスへ至った者の証拠が本として現れた。
何もかもあの遺言から出来過ぎじゃないか?
むしろ、私が今まで生きてきた世の中の方が疑わしい。
私は偽物の人生を今まで歩いてきたのではないか?
そんな気持ちと正気の間で燻っている。

あぁ、もう一度マンサスの地に行ければ確信に変わるのに。

違う。

もっと、願うんだ「マンサスに行く」と。

もっと、もっと、もっと、願え。

願え。

そして私は疲れと情熱を持ち夢の中に落ちた

気づくと私は森の中に居た。
「嗚呼!ここはマンサスなのだな!」
思わず叫んでしまったが、ハッとなり身を潜めた。
マンサスはどのような脅威が待ち受けているか分からないのである。
私がマンサスが善意で迎えてくれる、という甘い考えを持っていただけではない。声を出したことを改めて自省する。

よくよく確認してみると、私は「井戸」へ至る道と「車輪の神殿」と呼ばれる場所に通じている岐路に立っているようだ。
どちらへ進むべきだろうか?
夢の時間は永遠ではない。夢の終わりとともにマンサスから出ねばならない、選べるのは一方だけだ。

「井戸へ至る道」と「車輪の神殿」の岐路に立つ。

「車輪の神殿」と呼ばれる場所に向かうことにした。理由は無い、勘である。いたずらに時間を消費するよりはマシだろうと思っただけだった。

やがて森の境界からマンサス全体を見渡すことが出来たが、ここはまだまだ下の方だった。あの一番上まで行かなければならない、そのためには森以外の方法で夢に入らなくてはいけないだろうか……それはどうすればいい?

【栄光】、あの太陽とは違った光り輝く存在は私の心を融解させる。
美しい、神々しい。そんな陳腐な言葉で形容したくはないが、表現する方法が見つからない。
ただ、私が分かるのは人間の欲を最大限に掻き立てるものがあるとすればそれは【栄光】だろうということだけだ。
ずっと見ていると、魅力的すぎて時間を奪われる。
私は頭を振った。今は先を急ごう。夢の時間は有限だ。

マンサスの全体像。どうやってたどり着くかわからない場所ばかりである。

再び森の中に入るように道を進み、険しい岩肌のところまでやってくると「車輪の神殿」が見えてきた。
それから私は――
黒い地衣類と目印――
時の神々が――
車輪――
他の名もなき神々――
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強烈な情報が流れ込んでくる。鮮烈だが儚い記憶の断片。

――起きると寝汗が酷かった事は覚えている。
だが、マンサスで脳裏に焼き付いたはずのイメージが起床とともにぼやけていく。その現象や内容を文章ないし絵でも形容できなかったために、メモを取ることも出来ず、仕事から帰る頃には既に何も覚えては居なかった。
私は昨日マンサスで何を見たのだ?

翌日の睡眠では夢を見ることは無かった、そう何度もマンサスに行けるわけではない。自分の中に眠る野心と情熱が滾った時にしか夢の扉は開いてくれないようだった。
潔く諦めて遺言に同封されたの気になっていた資料を再度手に取った。

文通相手が遺した私と同類と思われる人物が記載されている資料

名前と人相が載っている。その他にも詳細は書いてあるが、肝心の住所などは記載されていなかった。
街には何百万人という人が蠢いていて、その中から見つける必要があるようだ。

大丈夫、私なら出来るはずだ。
病院のポーターをしていた時の記憶を辿ると、この街のブロック毎に管理された地図が浮かんだ。入院患者の生活範囲に何があったか記すものだった。
ブロック毎にランドマークがあり、その人個人の生活エリアを割り出すのに有用だと閃いた。
幸いにも協力者候補の詳細は手元にある。そう多くの時間はかからずにこの人物にたどり着けるだろう。

私は数日かけて協力者候補を割り出すことに成功した。私はその住所に手紙を出した、マンサスの興味深い誘い文句を添えて。

彼も私と同じように辛い目にあっているのだろうか
だとすると、協力者として勧誘できるかもしれない

ネビルはおどおどした男性だった。
口を開く前に必ず躊躇する、軽く否定したつもりでもすぐにたじろいでしまう。私が冗談を言って和ませようとすれば、コンマ数秒の間を開けて笑う。

ははあ、ネビルは自信が無いんだ。
世の中に猜疑心を刷り込まれてしまったんだ。
私はそんなネビルに語りかけるが、口をついて出てくる言葉は自分の物じゃないみたいだった。

「ネビル。過去にどんな辛いことがあったか私には分かる。だが、君はもう少し堂々と出来る。誰にも馬鹿に出来ない才能があるじゃないか。もしその才能が上手く扱えないなら、使える時が来るまで私がその導きとなるよ」

誰か別の人格が語っているような堂々としたカリスマ性がある誘いが私の口を操るように出てきた。自分でも驚いたが、それ以上に驚いているのはネビルの方だった。
ネビルは涙ぐむような砕けた笑顔を見せた、そして「やっと理解者がやってきてくれた」と膝をついて言った。
それから一言、付け加える。
「貴方に従う」

こうして私は小さなカルト教団【静寂の子供たち】を設立した。

モーランドの店で購入した書籍の情報、『墓守の秘密』の伝承をネビルに伝えた。ネビルの飲み込みは早く、すぐに私の意図を理解した。
そして何より従順だった。常人であれば気狂いかと断ずるであろう、マンサスの話を一切の疑いもせず知識として体得してみせた。
文通相手が眼を付けていただけはある。優秀だ。

私はこうして小さなカルト教団【静寂の子供たち】を立ち上げた。

仮本部として自室を使っているが、近いうちに別の所を利用しよう

世の神秘に触れることが出来れば、何をしたって構わないと思えた。
ネビルは私に感化され入信したが、ネビルの存在は私の方も感化してくれたらしい。

従順な人間にどれほどの使い道があるだろう、思いつく限りの人道に反することも今は平然と選択肢に入る。
人身御供のような行為も行うかもしれない、法に触れるような事ももちろん起こりうるだろう。

だが振り返るまい。
私の教団はどのような手段を用いても【栄光】に向かう。

しかし……私は気づいていなかったのだ。
カルト教団に忍び寄る影の存在に……。

探偵や刑事(要するに敵)がカルト教団の動向を追う、
犯罪の証拠を揃えられるとゲームオーバーになる。
様々な人物がいるためプレイ毎に違ったプレイ感に。

ネビルが教えてくれたが、どうやら探偵が私の事を嗅ぎ回っているらしい、面倒な事になる前に煙に巻く必要がある。やれやれ、ただ幸福を求めることも世の中は許してくれないのか。
しかたない、社会を生きる無知な彼らはマンサスに行くことすら出来ない下等な人間だ。理解を求めるのも難しいだろうし、ここは上手く切り抜けるしかない。

悪いことをすると仮の証拠を作られる。
完全な証拠品になると逮捕目前となる。

私の中で社会が切り捨てるべき物であると確信に変わった。

追われている身でありながら、それでも私は口角が上がっていた。
彼らは実の所何も知らないのだ、奴らに捕まる前に【栄光】に辿り着いてしまえばそれで終わりだ。

彼らと我々の勝負が始まった。
そして私のカルト教団の物語はここから始まるのだ。
(最後にこの局面でどのような盤面になるかお見せしよう。)

以上の物語が展開されるとこのような盤面になる

あとがき

お読み頂きありがとうございました。

こうして
ラヴクラフト的な世界観設定の中で、
日常生活+労働生活を送りながら、
信者を増やしながら、
カルト教団の違法行為 VS 探偵&刑事 をしながら、
世界各地の遺跡などを襲撃し、
マンサスに情報を求め彷徨い、
時には信者を生贄にしながら、
【栄光】に至るゲームだ。(本来は昇天って言うんだけどね)

実際にはこの物語がカード上で淡々と進むため、ロールプレイするにも慣れが必要かもしれない。そして難易度も高い。
想像力が豊かなハードゲーマーであれば、手に取って欲しい一本だ。

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