回る、回るよ
去年の春から、急に第2次世界大戦中のヨーロッパ関連の映画を観漁り始めた。
子どもの頃、図書室でアンネの日記を読んでショックを受けた。
その日から何日も悪夢を観るようになってからというものの、これまで戦争ものは避けてきた。
自分のなかでやっと消化できるようになったので、気になっていた映画を端から見始めた。
世界史は中学レベルで終わっていた上に、当時でさえクラスの最下層を漂っていた。
初めて知ること、言葉だけ知っているけれど状況がよく分からないままだったこと。
人物名や戦況などを調べながら映画を観るのに夢中になった。
そのなかでも、人々の倫理観がネジ曲がっていく過程が描かれている映画が興味深くて、よく選んでいた。
最近観た映画、「帰ってきたヒトラー」。
ファンタジー路線のブラックコメディーなのかと思っていたら、心臓をガッと捕まれているような緊張感と不穏さがあった。
思わずへらへら笑ってしまう場面でも、肝は冷えたままだった。
時代が変わろうが人間のつくりはほとんど変わらないし、抗い続けなければ歴史は何度でも繰り返す。
そんな気がした。
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