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大菩薩・笹子川滝子沢左俣

 日曜日に初級講習のアシスタントでシンケイタキ沢に行くことになっていた。せっかくだから土曜日も同じ大菩薩の沢に行って現地で泊まろうと思い、直前にK合さんを誘って前から狙っていた滝子沢に行ってきた。集合は7:30初狩駅、ここから入渓点まで1.5時間歩く。都内の桜は散ってしまったが、国道20号は桜が満開を迎えていた。

桜はいいですねえ

 権現橋に向かう林道は地味にきつい登りが続き、隣でK合さんが「足が攣りそう」とぼやく。他の記録にもあったように権現橋の先まで舗装された林道が続いている。9:04林道終点に到着し、沢仕度をする。水は伏流して枯れている。

しばらく枯れたゴーロ歩き

しばらく歩くと水が出て、F1の滝が現れるが、このしょうもない3m滝でやらかしてしまう。

丸太のかかるF1・3m

 ホールドはしっかりあるのだが、そのホールドを取るには丸太が邪魔だった。仕方がないので、一応、丸太が動かないことを確認して、その丸太を使って攀じ登ってみたが、最後、体重をかけたところで丸太が動いてフォールしてしまった。沢人生、初のフォールがこのしょうもない3m滝とは・・・それよりも3mの高さを尻から落ちたため、尾てい骨に激痛が走る。しばらく休んで一応動けたので遡行を再開するが、一歩動かすだけでお尻に激痛が走る。お尻も痛いし、心も痛い。
 しばらく小滝を登るとデコボコの斜滝が現れる。30mくらい?K合さんとあーでもないこーでもないと言いながら楽しくこれを越える。

デコボコ30m

 この先はスラブの斜滝が連続する。ヌメリはなくフリクションも効くので、慎重に弱点をついてこれを越える。

地味にいやらしい
大ナメ滝
スラブを登るK合さん

大ナメ滝を越えると今日の核心、15m一条クラック滝が現れる。

15m一条クラック滝

 寝ているのでそんな難しそうでもないが、お尻がとにかく痛いので空身で行かせてもらう。クラックの滝なので「どうせ水流に足あるんでしょ」と軽い気持ちで取り付いたが、甘かった・・。岩の弱点が全然なく、フェルトのフリクションを信じるしかない。気持ちを入れ替えてバランスとリズムで高度を上げると中段に2箇所ハーケンがあったのでありがたく使わせてもらう。その上も少し悪いがランニングは取ったので勢いで登ると終了点となる立木へゴールイン。その後、K合さんをロープで引き上げるが、スラブが得意なK合さんがワーキャー言いながら苦しんでいた。我々が下手なのもあるが、地味にムズかった。
 一条クラックを越えるとちょうどお昼だったのでランチタイム。しばらく休んでから立ち上がるとお尻の痛みはさらに増していた。すぐにハング8m滝が現れるが私もK合さんも一目見て「あーむりむりむり」と巻き一択の判断。右岸からこれを高巻く。それにしてもお尻が痛い。

ハング8m。ホールドはあるので登る人がいるのもわかる

 この後も地味にいやらしい小滝が続き、ジワジワ疲弊させられる。そしてこのあたりからお尻が本当に辛くなり、私のペースもガクンと落ちる。K合さんが声をかける。
K合「つらそうだねえ。」
あたし「いてえっす。」
励ましてくれるのか、リードを代わってくれるのか、淡い期待を抱いた私がバカだった。
K合「下山になったらもっと痛くなるし、明日になったらもっと痛みがひどくなってるよ。」
・・・ただの脅しだった。

難しくはないけど疲れさせられる
いやらしい小滝がつづく

 そして詰めとなる。詰め上げの狙いは滝子山と1590Pの中間コル。Co1430付近で三又が現れる(1:0:1)。左は水流があり滝子山直下・寂しょう尾根に詰めあげるルート、真ん中はいかにも悪く行き詰まりそう、右も水流があるということは狙いのコルまで伸びていると判断、右を進む。

右又を進んだ先。右のルンゼを詰めたくなるが水流に沿ってここは左の小滝を越える

 おそらくルートとしては正しかったが、お尻のせいなのか、体が異常に疲れていて前に進めない。自分でも不思議なほど疲弊しきっている。
あたし「アイゼン出しましょうか?」
K合さん「もう登山道見えてるし、無くてもいけるよ」
あたし「すいません、ちょっとしんどいんで履かせてください」
情けないがお尻が限界に達していたので、アイゼンを履かせてもらい、なんとか登山道へ詰め上がる。いやー、疲れた。。。お尻がずっと痛かったけど我ながらよくリードしたなー。笑 せっかくなので滝子山山頂まで歩いてパチリ。

つめつめ
富士山がきれい

 下山も全くペースが上がらない中、K合さんには迷惑をかけたが、2.5時間かけてなんとか初狩駅に到着。大月周辺はお風呂がないので都留市駅まで移動してより道の湯で汗を流す。都留市駅周辺でご飯屋さんを探して『ことぶき』さんというお店に入るが、ここがデカ盛りのお店だった・・が、疲れ切っていたのでこれをたいらげる。

爆盛り揚げ焼きそば
これでもか!とカツが乗ったカツカレー

 今回は序盤の私の不注意でパートナーのK合さんにだいぶ迷惑をかけてしまったが、あんだけお尻痛かったのになんとかリードできてよかった。K合さんにもだいぶ助けてもらった。
 滝子沢は1級上らしいが、いやらしい滝が多く、感覚的にはもう少ししょっぱい感じ。またスラブのフリクション登攀を練習するのに良い沢だ。
 最後に・・・疲れている中、翌日の初級講習を代わってくれたK合さん、本当にありがとうございました。早くお尻治して復活します。

※後日、病院でCTを撮ったら尾骨が折れてました(痛)。

山行実施日:2024年4月13日(土) 晴れ
メンバー:S木(L・記)、K合
山域:大菩薩
山行形態:沢登り
コースタイム:
初狩駅(7:30)- 林道終点(9:04)- 15m一条クラック滝(11:20)- Co1430三俣(13:00)- Co1580登山道(13:55)- 滝子山山頂(14:10)- 滝子山藤沢登山口(16:11)
地形図:笹子・大月


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