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0と百、セントレイ、0,1のそれぞれどれかで、気分によってそれを選択するだけみたいな性格で生活する成果のない正解は、演技性の何らかに包まれることに少しだけ安心する。注射が苦手で、それならば薄い刃物で切りつけて血を出したり、液体を入れたりしてくれたらばいいのにとよく思う。細い針で刺された、小さな穴が、永遠に点Pとして存在するから、情報で精査できない、娯楽として生み出された感情に気を取られたいだけなのかもしれない。変なふうに脱ぎ捨てられた半端な外出着は、浴槽からは、軽くもなく、重くもなく見える。注射がいやだから、病院にいくのは苦手かもしれない。でも歯医者は、小さい頃好きな子の家だったから、変な感覚が残る麻酔すら嫌でなかったから、やっぱり小さな感情の積み重ねが、少しの動作の判断をどうかさせていく。だから、今日の雨のにおいに気付いたことが、明日誰かの何かにすこしどうにかなれば、良いかもしれないし、悪いかもしれない。

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0,100|澤村桃