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そのぶくぶくうがい、大丈夫? ②


【「ぶくぶくうがい」に関わる筋肉】

口から全身の健康を考える小児歯科医 Sawako です。

『そのぶくぶくうがい、大丈夫? ①』で、「『ぶくぶくうがい』からは、お子様のお口周りの発達の課題が推測できる」と述べました。
発達の課題を解決し、健全な発育を導くためには、原因が何処にあるのか? を探る必要があります。

ぶくぶくうがいを上手くできない原因の多くは、お顔・お口周りの筋肉を上手く使えないことにあります。
では、ぶくぶくうがいに関わる筋肉にはどんなものがあるのでしょう?

《ぶくぶくうがいに関わる主な筋肉》
口輪筋(唇を動かす、口を閉じる)
口角挙筋(口角を上に上げる)
小頬骨筋(上唇を引き上げる)
大頬骨筋(口角を上及び外側に引き上げる)
顎舌骨筋(口腔底を作る、開口時に下顎を引き下げる)
頬筋(頬を膨らませる、口角を外側に引き上げる)
笑筋(口角を横に引く)
頤筋(下唇や下顎を上に引き上げる)
口角下制筋(口角を下に下げる)
下顎下制筋(下唇を下に下げる)
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全身は筋肉で繋がっていますから、厳密にはもっと多くの筋肉が協調して動いているのですが、わかりやすくするために、顔面にある筋肉のみ挙げています。太字は特に、ぶくぶくうがいで大事な働きをする筋肉です。

顔には30種類以上の筋肉がついています。顔の表面の筋肉は表情筋と呼ばれ、骨と皮膚を繋いで表情を作る働きをします。目・鼻・口など各パーツ毎に複数の筋肉が連動して動きます。
舌は4つの筋肉からできています。周りの筋肉は舌の位置を変える働きをします。

【お顔・お口周りの筋肉を上手く使えないと、どうなるの?】

口輪筋の力が弱いと、唇が閉じにくくなり、口呼吸や、いつも口が開いている「お口ぽかん(専門用語で『口唇閉鎖不全』と言います)」になりやすくなります。
口呼吸や「お口ぽかん」は新たな現代病とも言われており、子どもの成長発育に悪影響を及ぼします。これは大事なことなので、また別の機会に書きたいと思います。

口角挙筋・大頬骨筋・口角下制筋は、口元の表情を作る筋肉です。口角挙筋・大頬骨筋が弱いと、口角が上がりにくくなり、表情が乏しくなります。大人であれば、ほうれい線やシワ、たるみの原因となります。
歯科のエックス線撮影で、口を「イー」の形にして撮影する方法があります。最近は、「イー」の口にしても口角が下がったままの子どもたちが増えています。

頬筋が上手く使えないと、食事中に頬を噛んでしまったり、奥歯で噛んだ食べ物を口の中心に集めにくくなります。風船を膨らましたり、蝋燭の火を吹き消したりするのも難しくなります。

舌が上手く使えないと、発音が悪くなる、食べ物が飲み込みにくくなる、歯並び・咬み合わせが悪くなる…様々な悪影響を及ぼします。
これも大事なことなので、また別の機会に書きたいと思います。

長くなるので、次回に続きます。

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